私的「じんもんこん2007」覚え書き(9)2007-12-31

2007/12/31 當山日出夫

二日目、午後の後半のセッションは、引き続き、2階のB会場。「舞踊の情報処理」。立命館GCOEの研究テーマの軸の一つは、モーションキャプチャによる舞踊の研究。ここは、どうしても参加しておかねばならない。

私の視点から見て興味深かったことをひとつ。

これまで、立命館のARCや八村先生などの研究対象としてきたのは、主に京都の伝統芸能としてのおどり。いわゆる、京舞、であったり、能楽、であったり。これはこれでいいのだが、このセッションの最後の発表と比較すると、おもしろい。

三浦武さんたち(ノースアジア大・わらび座・秋田大)の 骨格構造人体モデルの等価角軸変換データを用いた舞踊動作の特徴抽出

何が興味深かったかというと、この研究の対象としている舞踊が、いわゆる民謡に属するもの。秋田おばこ、越中おわら、こきりこ、など。つまり、主に野外で、多くの人々と一緒におどり楽しむ芸能。

これに対して、日本舞踊(京舞)や能楽は、室内・座敷で、近距離から見るものであり、観客も限定的である。また、民謡・民俗芸能としての踊りは、連続した動作の反復を基本とする。能楽のように、ストーリーに基づいて、変化していくものではない。

当然、これらの要因は、おどりの身体動作に影響を与えるはずである。

シンポジウムでの発表や質疑では、この点は、あまり問題にはならなかったが、身体動作によって何を表現しているのか、あるいは、コミュニケーション論の観点からは、重要な視点になるにちがいない。

いろいろと書いていけばきりがない。最後は、桶谷先生の挨拶で、クロージング。とりあえず、今年の「じんもんこん2007」は、無事終了ということになった。

後は、余録として、いくつか述べておきたいことがあるが、後ほどのことにしよう。

當山日出夫(とうやまひでお)