ビジネス・アーカイブズ通信(第1号) ― 2008-02-19
2008/02/19 當山日出夫
ARGで紹介されていたので、さっそく申し込んだ。第1号は、2月15日の発行。基本的には、
この通信では海外(主として英語圏)のビジネス・アーカイブズに関する情報 をお届けします。
ということである。ということは、「ビジネス」ではない「アーカイブズ」の世界が確立している、ということを、前提にしている。この点において、日本は決定的に遅れていると思う。ようやく、公文書のアーカイブについての議論が始まろうか、という段階であるのだから。
この「ビジネス・アーカイブズ」のメールマガジン、無料であるし、読んでみて絶対に損はないと思った。第1号を見て、はっきり言っておどろいてしまった。そのテーマが、「アーカイブズと倫理」なのである。
これ以上は、内容について書かない。興味のある方は、申し込んでほしい。
http://www.shibusawa.or.jp/center/ba/index.html
から、購読は申し込める。
當山日出夫(とうやまひでお)
『打たれ強くなるための読書術』 ― 2008-02-19
2008/02/19 當山日出夫
東郷雄二.『打たれ強くなるための読書術』(ちくま新書).筑摩書房.2008
はっきり言って、『文章読本さん江』(斉藤美奈子)の方が、面白い。共通するところとしては、「文章」=「文学」=「教養」=「人格」、というような図式を、ばっさりと切っている。「実用=論文を書く」、そのための、本の読み方として、ガイドブックとして役にたつ。
ただ、新書本としてタイトルが『打たれ……』となってしまっているのは、著者自身が、わかってのことであろう。しかし、本来ならば、『論文を書くための読書術』である。(個人的には、このタイトルの方が売れると思うのだが、筑摩書房は、誤ったか!?)
私は、新聞は朝日新聞を購読しているが、その目的は、「さんやつ」を見るためである、と断言できる。
一般論として、本の買い方について、次のように指摘しているのには、まったく同感。
本を買うときの三原則(p.92)
(一)本は見つけた時に買え
(二)買うか買わないか迷ったら買え
(三)値段を見ないで買え
まあ、個人的には、このうち(三)において、いくぶん後悔したことがないではない。レジに行って精算の段階で、おもわず、「ちょっと……」と言いだしそうになったことがある。
ところで、この著者は、マック・ユーザで、ハイパーカードに依拠していたようである。OSXになって、困っていると書いてある。
そういえば、むかし、「ハイパーカードを買うと、マッキントッシュがおまけについてくる」という、冗談のような言い方がされたことがある。それだけ、その当時、ハイパーカードは、先端を行っていた。
ユーザの視点からみて、ハードウゥアよりも、アプリケーション。アプリケーションよりも、データ。最終的には、データと、その検索、このことの重要性にたどりつく。このことは、本書の意図ではないかもしれないが、コンピュータよりの視点から見るとそうなる。
学生向けに書いた本としては……今の学生には、『罪と罰』や『戦争と平和』を読んでいるか(いないか)、『失われた時を求めて』の原稿の話しとか、通じないでしょうねえ、とは申し上げてもよかろう。
なお、日本語の文章における、漢字/仮名の比率・出現箇所による可読性の指摘(pp.124-127)は、参考になる。
當山日出夫(とうやまひでお)
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