『打たれ強くなるための読書術』2008-02-19

2008/02/19 當山日出夫

東郷雄二.『打たれ強くなるための読書術』(ちくま新書).筑摩書房.2008

はっきり言って、『文章読本さん江』(斉藤美奈子)の方が、面白い。共通するところとしては、「文章」=「文学」=「教養」=「人格」、というような図式を、ばっさりと切っている。「実用=論文を書く」、そのための、本の読み方として、ガイドブックとして役にたつ。

ただ、新書本としてタイトルが『打たれ……』となってしまっているのは、著者自身が、わかってのことであろう。しかし、本来ならば、『論文を書くための読書術』である。(個人的には、このタイトルの方が売れると思うのだが、筑摩書房は、誤ったか!?)

私は、新聞は朝日新聞を購読しているが、その目的は、「さんやつ」を見るためである、と断言できる。

一般論として、本の買い方について、次のように指摘しているのには、まったく同感。

本を買うときの三原則(p.92)

(一)本は見つけた時に買え

(二)買うか買わないか迷ったら買え

(三)値段を見ないで買え

まあ、個人的には、このうち(三)において、いくぶん後悔したことがないではない。レジに行って精算の段階で、おもわず、「ちょっと……」と言いだしそうになったことがある。

ところで、この著者は、マック・ユーザで、ハイパーカードに依拠していたようである。OSXになって、困っていると書いてある。

そういえば、むかし、「ハイパーカードを買うと、マッキントッシュがおまけについてくる」という、冗談のような言い方がされたことがある。それだけ、その当時、ハイパーカードは、先端を行っていた。

ユーザの視点からみて、ハードウゥアよりも、アプリケーション。アプリケーションよりも、データ。最終的には、データと、その検索、このことの重要性にたどりつく。このことは、本書の意図ではないかもしれないが、コンピュータよりの視点から見るとそうなる。

学生向けに書いた本としては……今の学生には、『罪と罰』や『戦争と平和』を読んでいるか(いないか)、『失われた時を求めて』の原稿の話しとか、通じないでしょうねえ、とは申し上げてもよかろう。

なお、日本語の文章における、漢字/仮名の比率・出現箇所による可読性の指摘(pp.124-127)は、参考になる。

當山日出夫(とうやまひでお)

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログの名称の平仮名4文字を記入してください。

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://yamamomo.asablo.jp/blog/2008/02/19/2642702/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。