日本アーカイブズ学会(3)2008-05-02

2008/05/02 當山日出夫

自分でいうのも奇妙かもしれないが、ブログのメッセージを書くとき、必ず、自分自身で、その日付と私の名前(當山日出夫と、その読み方=とうやまひでお)、を記載している。これは、ブログというメディアにおける特性を配慮して、意識的に付加している、メタデータである。下記の『電子記録のアーカイビング』で指摘の問題に通ずる。

ともあれ、映像学部で「デジタルアーカイブ論」を教えるということで、アーカイブについて、にわか勉強、というのが正直なところ。ようやく、昨日から今日にかけて、

『アーカイブズを学ぶ』.小川千代子(ほか).岩田書院.2007

『電子記録のアーカイビング』.小川千代子.日外アソシエーツ.2003

を読んだという次第。アーカイブそのものについては、既に、『アーカイブズ事典』などで概略は理解していたつもりでいるが、上記の本は、それぞれに、おもしろい。私のような、人文情報学や、近縁の情報工学の立場から見ると、種々の問題点が見えてくる。これについては、追って書いていきたい。

ところで、日本アーカイブズ学会の研究発表。私のいた会場の2件目の発表は、

筒井弥生さんの「『渋沢栄一伝記資料』収集資料のアーカイブズ的考察」

筒井さんは、現在は、学習院大学の大学院において、アーカイブズ学専攻で学んでいる学生。以前は、アルバイトとして、渋沢財団の方で、アーカイブにかかわる仕事をしていた、とのこと。だから、渋沢財団ととしての、正式の見解という発表ではないのであるが、アーカイブというものの本質を、わかりやすく解説してくれる発表であった。

まず、第一に、渋沢栄一についての、諸資料の整理・収集という意味でのアーカイブのありかた。

次に、第二に、渋沢の伝記を執筆するプロセスで発生した諸文書の記録・管理について。

この二つの、異なる次元のアーカイブについて、きわめて手際よく、また、具体例を示しながら、解説する発表であった。

渋沢財団のビジネスアーカイブの意義を理解するうえでも、非常に参考になる発表であった。

なお、日本アーカイブズ学会には、先ほど、インターネットで、入会を申し込んでしまった。所属学会も整理しないといけないのだが、今後のことを考えると、人文情報学において、また、私の専門である文字研究の領域においても、アーカイブは、種々の論点を整理するキーワードになる、と判断した。

當山日出夫(とうやまひでお)

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