『ARG』327号2008-06-16

2008/06/16 當山日出夫

ARGの327号を開いて、すぐ、東京大学の名前が見えた。

東京大学附属図書館と東京大学情報基盤センター

写真帖『東京帝国大学』電子版を公開

東京大学附属図書館と東京大学情報基盤センター

平賀譲 デジタルアーカイブを公開

の二つの記事である。これを見て、即座に、私が思い浮かべて、床につんであった本の中からとりだしてきたのは、

『アーカイブを学ぶ』.小川千代子(ほか).岩田書院.2007

である。はっきり言って(これは、もう、この分野では有名な話しであるから)、この本の著者(小川千代子さん)は、反・デジタルアーカイブの急先鋒と言ってよい立場で、発言している。そして、この『アーカイブを学ぶ』において事例としてとりあげられているのは、東京大学、である。第二部、「アーカイブを歩く」では、東京大学大学史史料室が、登場する。

さて、今後、東京大学全体として、デジタルにどのようにとりくんで行くのか、注目していきたい。

それから、今回の327号の編集日誌にある、ネット検索の事例は、非常に考えるところが多い。

http://d.hatena.ne.jp/arg/20080613/1213287103

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以下の3問を15分以内に調べる。

1. 今出川・京田辺キャンパスにある施設のうち、名称が「○○館」という 和名の施設は幾つあるか。

2. 同じような和名の施設名称を持つ大学は他にどこがあるか。

3. なぜ、それらの大学では和名の施設名が用いられているのか

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2の問いは、まず、ネット検索では無理。たいていの大学は、HPがあり、そこを見れば、キャンパス・マップがある。しかし、その大部分は、画像であつかわれている。

ちなみに、私の出身大学(慶應義塾)で、 慶應 演説館 で検索したら、最初にヒットした。これは、やはり、特異な例である。三田キャンパスで、「館」とつくのは、この演説館だけであるし、慶應のシンボル的存在である。重要文化財。

まさに、ARG(327)で引用の、

LEARN TO LIVE AND LIVE TO LEARN.

という言葉の意味を考える。今、これから、ネットワークの時代、デジタルアーカイブの時代、我々は、何を学び、何を後世に残すのか。このところを追求していけば、デジタルアーカイブについても、なにがしかの意味を与えることができるだろうと、思った次第である。

當山日出夫(とうやまひでお)