JADS(5)2008-06-21

2008/06/21 當山日出夫

新常用漢字のことについて考えている間に、JADSから遠ざかってしまっていた。

アート・ドキュメンテーション学会「シンポジウム:物語るアート・ドキュメンテーション」の次は、

3次元モデルを用いた伝統舞踊アーカイブ

片山美和さん(NHK)

立命館で行っているのは、光学式モーションキャプチャによる、人間の身体動作の計測・記録、である。これに対して、片山さんの発表は、NHKとATRで、共同研究している、カメラ画像(40台)を使って、人間の動きをとらえようとするもの。

光学式モーションキャプチャと比較すると、それぞれに利点・欠点がある。

光学式では、人間の身体動作の骨格が記録できる。測定するとき、専用の衣装を身につけ、センサーを、体の各所につけなければならない。したがって、衣装(能であれ日本舞踊であれ)は、後から、画像処理で付加しないといけない。人間の身体動作を正確に記録できるが、最終的な実演場面をCG再現するとなると、やや問題がある。

一方、カメラ画像によった場合、きわめて自然に、衣装の動きをふくめて、実演しているそのままを、記録できる。だが、それは衣装を含めた外観によってであり、人間の身体の動作そのものは、わからない。(衣装なしで踊っている姿を記録すれば可能であろうが、それでは、衣装をふくめた自然な動きという利点が無くなる。)

これまで、私が接してきたのは、主に、立命館などの、光学式モーションキャプチャによるもの。この意味で、この発表は新鮮であり、面白かった。

また、この発表で、「これはいい!」と思ったのが、Wiiリモコンで、操作できること。これは、今後の、各種のコンピュータ利用で参考にすべきかもしれない。キーボードでもなく、マウスでもなく、Wiiリモコンという新しい、ユーザインタフェースの活用が、ひょっとすると、人文学におけるコンピュータ利用の新しい方向をひらくかもしれない。

それから、問題・課題かと思ったのは、これは、伝統芸能の「記録」であるのか、あるいは、映像表現としての「見せ方」であるのか、である。NHKの仕事であるから、両方が関係している(あるいは、明確に区分して意識していない)かとも、思った次第である。

當山日出夫(とうやまひでお)

コメント

_ もろしげき ― 2008-06-22 17時42分24秒

私もUIに期待してWiiを買いましたよ。でも開発環境が出ないんですよねー。

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