新常用漢字:箸は簡易慣用字体になるのか2008-07-17

2008/07/17 當山日出夫

小形さんのおっしゃるとおり、「箸」が、現行の印刷標準字体のままで入るなら、問題は、さほどおこりません。

第一に、(新)常用漢字の内部での、字体(部分字体)の整合性をどうするか。

第二に、ユニコードへの対応をどうするか。

これらは、矛盾する場合があります。このとき、未来の日本語の漢字のありかたとして、ユニコードへの対応を優先する判断が、できるかどうか。これは、漢字小委員会のみならず、法務省の人名漢字をふくめてですが……このとことの自覚がはっきりあるかどうか。

このあたり、安岡さんにたっぷり話してもらって、それは、近いうちに本にしたいと考えています(出版社とは、話しは済んでいますので。)委員会で、笹原さんたちが論を述べるための資料、あるいは、(新)常用漢字について、みんなが考える材料を、こんどのWSで提供できたら、と考えています。

(新)常用漢字表のための、簡易慣用字体、というものを設定することになるのか、それとも、印刷標準字体のままで、いれるのか。論点は、このあたりでしょうね。

當山日出夫(とうやまひでお)

コメント

_ おがたかつひろ ― 2008-07-17 12時21分45秒

簡易慣用字体ですか、なるほどなあ、それは思い付きませんでした。
たしかに字体の幅をある程度広く認めるために複数の字体を規定する(許容する字体も入れる)という選択肢は想定できるかもしれません。

しかし「幅広く字体を認める」という意味からの実効性はどうでしょう。現在の字体に使用状況を見ると、表外漢字字体表の簡易慣用字体はそれ自身として意識的に使われるというより、結果的に使われてしまったものを許容する言い訳のようなものであるように感じます。

実際に2004JISでは、樺島原案作成委員会委員長のお声かがりもあって、簡易慣用字体として収録されていても、積極的に印刷標準字体に揃える道を選びました。つまり複数の字体が国語施策で規定されていても、これに対応する方はどちらかを選んでしまい、結果として「幅広く字体を認める」意味はあまりないということになります。

當山さん、すいません、どうも「(新)常用漢字は本当に必要か」という内容にならず、文字コード話になりそうです。安岡さんとかぶってしまいそうなのが心配。昨日、安岡さんにお聞きしたかぎりでは、国語施策や人名用漢字も入ったわりと概括的な内容で、Unicodeに深入りしそうもないので、ぼくの方は国語施策や人名用漢字の話はせず、Unicodeに絞り込むことにしようかと思っているところです。

ともあれ夕方まで配布資料をまとめてみようと思いますが、それはまずいということでたら、早めにご連絡いただけるでしょうか。なんとでもなります。わがまま言って申し訳ございません。

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