『ARG』332:コーヒーハウスの思想2008-07-21

2008/07/21 當山日出夫

ARGの332号について。

http://d.hatena.ne.jp/arg/20080721/1216566831

私個人の専門領域としては、まず、『古事類苑』である。私ぐらいの年代の、日本史・日本文学関係の研究者なら、かなり持っているはずである。ちょうど、学生のころ、吉川弘文館から、縮刷版が刊行になった。

「これは欲しい」と思って買った。全部で、本棚のひとつ分ぐらいある。

それが、今や、デジタル化されるとは、感慨無量である。

それから、やはり、今回の号で、読むべきは、編集日誌で語られている、ARGの理念、であろう。私個人は、ARGは「便利」と思ってはいるが、「老舗」とは思っていない。いや、インターネットの世界に、「老舗」という発想を持ち込むことは、どうかな、とさえ思う。常に「いま」である、と考える。

私自身、よく、ARGは、MLなどで言及することがある。だから、そのURLに「cofeehouse」とあることは、知っていた。しかし、そこに、込められた、岡本さんの真意までは、理解できていなかった、正直なはなし。

いわれてみれば、「コーヒーハウス」とは、人と人とが出会う場所を提供することに、意味がある。今後は、ARGカフェやオフ会などで、ARGがきっかとなって、いろんな人とのつながりが広がっていくこと、これが次のステージの目標だろうと思う。

いいかえれば、単にARGを購読するだけではなく、ARGカフェに、みずから足を運ぼう、ということ。あるいは、ここで紹介された各種の学術リソースについて、個別のブログなどで、語り合い、コメントしあい、トラックバックをつないでいく、このような広がりが、さらにひろがっていくことが、今後の、(岡本さんだけではなく、みんなの)目標であると、私は思う。

當山日出夫(とうやまひでお)

新常用漢字:開国2008-07-21

2008/07/21 當山日出夫

2008年7月19日のワークショップ。私が、基調報告を述べることになった。というより、そうせざるをえない。なにせ、師さんと私(當山)とで、共同で、企画したWSである。師さんには、一般キャラクタ論としての文字論、を発表してもらった。となると、残りは、私しかいない。

で、最初のパワーポイントの画面で見せたのが、「開国」の2文字。パワポの最大サイズで見せた。

実は、これを作ったのは、小形さんの発表資料をもらってから。当日、会場で配布された、フローチャートのような形式のもの。これは、小形さんのブログ経由で、ダウンロードできる。

もじのなまえ

http://d.hatena.ne.jp/ogwata/20080719/p1

資料の中に次のようなことばがある。

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日本国政府の自由意志では、字体規範を決められない

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このことを、みんなに分かってほしかった。つまり、どのように日本国内で文字の規格や規範をきめようと、実際の運用(コンピュータに実装)においては、インターネットでのユニコードを無視できない、いや、そのなかでしか、もはや、論じられない状況にある、ということである。

これを、私は、「鎖国」に対する意味で、あえて、過激に「開国」と表現した。

昔、江戸時代、林子平という人物がいた。かれは、このような趣旨のことを述べた。日本橋の川の水は世界につながっている。同じように、日本のコンピュータで使う文字も、世界にユニコードでつながっている。

特に、今回の(新)常用漢字表の改訂が、情報機器(コンピュータ)の利用を念頭においてのことであるとするならば、この視点からはじめなければならない。

とりあえず字種を決めて、字体は後から……などということを言ってはいられない。この字をこの字体でいれたら、日本語の表記の常用漢字は、ユニコードの世界では、どのような位置になるのか。ひょっとすると、互換漢字になってしまうかもしれない。このことを、同時に考えなければならない、と私は思っている。

あえて言う、日本語を書くための文字(漢字)を、鎖国の状態においてはいけないのである、と。

當山日出夫(とうやまひでお)