新常用漢字:『現代漢字の世界』2008-11-22

2008/11/22 當山日出夫

もろさんのブログでも紹介のあった本。

http://d.hatena.ne.jp/moroshigeki/20081117/p1

『現代漢字の世界』(シリーズ現代日本語の世界3).田島優.朝倉書店.2008

とりあえず、ざっと読んでの感想。

戦後の漢字政策史としては、非常によく書けていると思う。このことについて、あれこもこれも、と言い出したらキリがない。

ただ、実際に、個人として、78JISから使ってきた人間としては、「実感」が伝わらない。客観的に述べるのはよい。たしかに、研究書とは、こうあるべき。ただ、文字コードの問題で、実際にコンピュータや、(今ではなくなってしまった)ワープロ専用機で、どのような問題に直面して、どのように試行錯誤してきたか、その結果、今は、どうであるのか。

このあたりの記述が必要ではないかと思う。常用漢字・人名漢字・JIS漢字、それぞれ、言語政策ではある。だが、言語政策だけで、文字が変わってきたわけではない。それによって決められた文字に対する社会の反応があって、次の政策・JIS規格へと、反映してきた流れがある。

田島さんは、「まえがき」で、9月の4字追加(1字削除)案に言及して、

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(新常用漢字について)新しい漢字表がどのような形でまとまっていくのか、皆さんと一緒に見詰めていきたい。

<<<<<

と述べている。

文字というのは、「政策としてどう決まるか」という面と、「利用者としてどう使うか/思うか」という面がある。利用者のリアクション、JIS漢字の歴史でいえば、JIS漢字批判の様々、についても言及してあると、良かったのではないか。実際に文字を使う人々の思うところがあってこそ、次の政策や規格に影響を与えていく。この歴史をふまえないでは、未来を語れない。

おそらく、このあたり、今、企画中の(いや、みなさん執筆中の)『論集 文字 新常用漢字表を問う』(仮題)で、解説した論文が掲載になると思っている。

當山日出夫(とうやまひでお)

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