福澤展『きけわだつみのこえ』の上原良司の文章2009-02-23

2009/02/23 當山日出夫

この前、東京に行って、東京国立博物館で「福澤諭吉展」を見てきたが、この件について言及したブログ記事は、あまり無いようなので、書いておく。

福澤諭吉展での展示品は、それぞれに興味深いものがある。そのなかで、さほど目立つというわけではないが、これが残っていたとは・・・と、感じるものがある。

上原良司の原稿(というべきか、遺書というべきか)、である。経済学部から学徒動員。昭和20年5月、鹿児島県の知覧から陸軍特別攻撃として出撃。戦死。その出撃の前夜に書いた、原稿用紙が展示されている。そして、この文章は、その後『きけわだつみのこえ』の巻頭に掲載された。

「明日は自由主義者が一人この世から去って行きます」とある。

展覧会の図録では、126頁に掲載。

『きけわだつみのこえ』をめぐっては、その編集について、いろいろ意見があるだろう。だが、その「遺書」(と言っていいかどうか、ためらわれるが)の実物が、今に伝えられて、そこに見ることができる。

この数枚の原稿用紙を見るためにだけでも、福澤諭吉展は価値がある。いや、見るのではなく、読んでもらいたいと思う。

ここは、慶應義塾の塾員のひとりとして書いたもの。

當山日出夫(とうやまひでお)

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