大学の研究アーカイブズ ― 2009-02-26
2009/02/26 當山日出夫
松田さん、たびたびのコメント、ありがとうございます。ARGカフェの懇親会のパブで話題にしたかと思いますが、大学の研究アーカイブズ。
たとえば、次の本。
山田奨治.『禅という名の日本丸』.弘文堂.2005
山田さん(日文研)は、ヘリゲルという、『弓と禅』の著者の足跡をたづねて、ヨーロッパに行きます。そのとき、ヘリゲルが学んだハイデルベルグ大学の「文書館」(原文ママ)には、その遺族が寄贈した、ヘリゲルを中心とした一族の文書・記録が、残されていたとのこと。(甥から1993年に寄贈とのよし)。上記の本では、117ページに記載があります。
山田さんの本自体、非常に興味深く、日本文化を語る上では、今では欠かすことのできない、貴重な仕事と思っています。「日本」という文化的なイメージの形成のプロセスを考えるうえで。この点では、松田さんの御研究の、蘭学・出島などの研究とつながると思います。
この点とは別に、上記の、ヘリゲル関係の文書が大学に保管されているということが、非常に印象に残っています。で、本棚から取り出してきて、確認した次第。
ヘリゲルの一族が、これを残そうと思ったこと。ちなみに、ヘリゲルはナチ党員でした。そして、これを受け入れる大学の体制・制度が、整備されていたこと。このことが、非常に印象的です。
まず隗よりはじめよ・・・日本のこれからのアーカイブズ学の将来は、ある意味で、大学の研究アーカイブズにかかっているともいえます。そのような環境の中で勉強してこそ、本当のアーキビストの養成につながります。
とこで、4月には、学習院大学でのアーカイブズ学会で発表。文字のことを話す予定。デジタル文字は、どうやったら残せるのか、これは、難しい問題です。
當山日出夫(とうやまひでお)
松田さん、たびたびのコメント、ありがとうございます。ARGカフェの懇親会のパブで話題にしたかと思いますが、大学の研究アーカイブズ。
たとえば、次の本。
山田奨治.『禅という名の日本丸』.弘文堂.2005
山田さん(日文研)は、ヘリゲルという、『弓と禅』の著者の足跡をたづねて、ヨーロッパに行きます。そのとき、ヘリゲルが学んだハイデルベルグ大学の「文書館」(原文ママ)には、その遺族が寄贈した、ヘリゲルを中心とした一族の文書・記録が、残されていたとのこと。(甥から1993年に寄贈とのよし)。上記の本では、117ページに記載があります。
山田さんの本自体、非常に興味深く、日本文化を語る上では、今では欠かすことのできない、貴重な仕事と思っています。「日本」という文化的なイメージの形成のプロセスを考えるうえで。この点では、松田さんの御研究の、蘭学・出島などの研究とつながると思います。
この点とは別に、上記の、ヘリゲル関係の文書が大学に保管されているということが、非常に印象に残っています。で、本棚から取り出してきて、確認した次第。
ヘリゲルの一族が、これを残そうと思ったこと。ちなみに、ヘリゲルはナチ党員でした。そして、これを受け入れる大学の体制・制度が、整備されていたこと。このことが、非常に印象的です。
まず隗よりはじめよ・・・日本のこれからのアーカイブズ学の将来は、ある意味で、大学の研究アーカイブズにかかっているともいえます。そのような環境の中で勉強してこそ、本当のアーキビストの養成につながります。
とこで、4月には、学習院大学でのアーカイブズ学会で発表。文字のことを話す予定。デジタル文字は、どうやったら残せるのか、これは、難しい問題です。
當山日出夫(とうやまひでお)
コメント
_ 松田 清 ― 2009-02-28 21時44分02秒
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があります。
他にも、学者の蔵書をいくつか整理したことがありますが、書籍以外の文書類の扱いには本当に当惑します。貴重な資料でも現状では、日本の図書館で受け入れてもらえないわけですから。
書籍部門と写本部門がはっきり分けられた欧米図書館と違い、日本では、伝統的には写本であれ刊本であれ、書籍扱いです。書籍以外の文書類は資料館行きですが、その資料館たるや、人材育成がまだまだですね。
もっとも、日蘭関係史料としては、オランダ国立公文書館の出島文書が有名ですが、日本関係のオランダ人専門担当者はいないようで、残念なことです。