JADS研究会:EuropeanaとMLA(3)2009-03-16

2009/03/16 當山日出夫

菅野さんの話しを聞きながら思ったこと。あくまでも、個人的感想として。

EUといっても、決して一つではない、しかし、一方、統合のはたらきもある。同じことが、Europeanaにもいえそうである。自分の文化の世界的への発信(普遍性への指向)と同時に、自分たちは自分たちだという独自性(具体的には、対アメリカ、対Google)への方向。

相反する流れがあって、バランスが、(今は)とれている状態、と言ってよいであろうか。

まだ、肝心のEuropeanaの内部を見ていないのだが……中世におけるイスラームの影響とか、それに、トルコがEUに加盟したらどうなるか、とか、関心のあるところ。

何をもってして自分たちの文化資源・文化遺産というか、これは、対他者との関係の中で決まる。Europeanaにとっては、イスラーム文化であり、また、アメリカ文化、とどういう関係で自らを位置づけるか、というのが問題になるのではなかろうか、と思える。

ヨーロッパの場合、近代的な国民国家と言語と文化が、比較的、整理しやすい(少なくとも、世界の他の地域にくらべて)。その地域の歴史的文化的背景を考えないでは、文化資源のデジタル化についても、論ずることは難しい。

以上は、JADS研究会で思った、個人的感想。

當山日出夫(とうやまひでお)