消えた「ミサイル」2009-04-06

2009/04/06 當山日出夫

おがたさんの「もじのなまえ」に、異常なぐらいSBMがついている。
http://d.hatena.ne.jp/ogwata/20090405

いろいろ議論はあるとおもうが、私の見るところでは、
・これまで、さんざん、マスコミなどの報道では、「ミサイル」「テポドン」と言ってきた。
・それが、発射された瞬間から、「飛翔体」の用語に変わった。今朝のHNKのニュースでも、「発射」という語はつかっても、「何を」という部分は、あいまいなままで報じている。

この間の、ことばの変化……「敗退」を「転進」というか、「侵略」を「侵攻」というか……これ自体にとまどいを感じる。強いていうならば、こんなふうに用語を変えてしまうのは、政治的にまずいとも思う。北朝鮮の言い分(人工衛星)は、それはそれとして、日本にとっては、ミサイル以外の何物でもない以上、堂々と、「ミサイル」と称し続けるべきであろう。

また、観点は変わるが、ごく普通の用語のようにつかった「飛翔体」の「翔」が、常用漢字には無い、ということも、問題のひとつ。これが、軍事的には一般的な用語であるならば、はじめから、「飛翔体」と言えばいい。常用漢字に配慮するならば、「飛しょう体」「飛翔(しょう)体」などと書く他はない。

當山日出夫(とうやまひでお)

「飛翔体」は政府用語ということで落着か2009-04-06

2009/04/06 當山日出夫

ざっと、オンラインで、新聞社のHPなど見てまわる。あらたにす。

朝日新聞は、「飛翔体(ひしょうたい)」と、して使用。ただし、これは、政府発表を伝えるかたちで。実質的な記事の中身は、ミサイル。

読売新聞は、最初から、ミサイル(テポドン2)。日経も、ミサイル。

一般的な認識としては、「ミサイル」。ただ、政府の発表の用語としては、「飛翔体」。「翔」は常用漢字にないので、ルビで処理。「飛しょう体」では、ちょっとみっともない、いや、軍事的な脅威に乏しい……というところか。

當山日出夫(とうやまひでお)