『情報歴史学入門』その22009-05-28

2009/05/28 當山日出夫

先に書いた『情報歴史学入門』の感想のつづき。
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2009/05/27/4325991

「入門書」といいながら、非常にハイレベルの内容をふくむことは書いた。であると同時に、きわめて「実用的」なことも書いてある。

たとえば、「第5部 卒業論文にむけて」では、きわめて重大なことが書いてある。それは、

卒業論文には締め切りがある(p.158)

という、とんでもない驚愕すべき事実なのである。さすがに大学を卒業してしまっているので、卒業論文を書くことはないが、「論文」を書くことはある。そして、「論文」には締め切りがあるということは、常に、忘れてしまうものなのである。これが、人間というものなのである。

このおそるべき事実の前に、我々はただひたすら恐怖しおののくしか、なすすべがない。実用の書というものは、人々を、「現実」へと引き戻す。あるいは、しめきりはもうすこしさきであるはず……などという、えてして抱きがちな妄想を打ち砕き、カレンダーを目の前につきつける。

『情報歴史学入門』は、覚悟して読まねばならない。

なお、いま、読みつつある本は、『翼よ、あれは何の灯だ』(清水義範、ちくま文庫)なのである。

當山日出夫(とうやまひでお)

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