学会の日程調整など、「コーヒーハウス」に期待する2009-06-11

2009/06/11 當山日出夫

もうそろそろ、私の手帳には、年末ぐらいまでの、学会・研究会の日程がはいりはじめている。

いまの時代、これほど、いろんな学会・研究会があると、開催日程が難しい。重複してしまうとどうにもならないし、また、週末ごとに移動というのも、時間的にも、経済的にも、苦しい。可能な限り相互に調整して、ということになる。

関係する学会・研究会のメンバーは、実は、相互に人脈がつながっている。これまで、個人的人脈、それに、会場の都合で、学会・研究会の日程が決まってきた。もし、相互に調整できるものならば、それにこしたことはない。

こういうことは、「これは、この学会・研究会の独自の判断だ」とせずに、できれば、柔軟に相互に連絡しあうようにした方がいいと考えている。そのためには、完全に、内部の運営のための連絡と、半分公開したような場所での話題提供の場があってよい。

この意味では、ブログのシステムなどは、適切だろう。だいたいこんな日程で考えていますが、他の学会の様子を知っている人は教えて下さい、連絡ください、という相互の情報交換の場。「コーヒーハウス」の思想である。

ARGの法人化に期待するところの一つに、このような場として機能してくれればというのが、個人的な思いとしてはある。

さて、『思想』のグーグルについての論考を読むことにしよう。

當山日出夫(とうやまひでお)

『思想』とグーグル2009-06-11

2009/06/11 當山日出夫

『思想』(2009年6月号、1022)に掲載のグーグル関係の論文を読もうと思って、まず、グーグルを検索。というのは、

「グーグルと書物の未来」.ロバート・ダーントン(高宮利行訳)に、まず、前文がある。そこには、

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本稿掲載の準備中、原論文のフランス語訳からの翻訳が『ル・モンド・ディプロマティーク日本語・電子版』2009年3月号に掲載された。(中略)しかし、物質としての永続性をもつ紙媒体での提供を選択し続けている本誌がもちうる役割と機能に鑑みたとき、本稿を掲載することには一定の意義があると判断し、ここに掲出するに至ったことをお断りしたい。(岩波書店『思想』編集部)
(p.173)
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とある。ダーントンの論文とともに、この『思想』編集部の判断もまた、読むべき価値があるものである。該当する論文は以下のURL、

グーグル・ブック検索は啓蒙の夢の実現か?
ロバート・ダーントン(Robert Darnton)
歴史家、ハーヴァード大学
カール・H・プフォルツハイマー記念大学教授および図書館長
訳:逸見龍生

http://www.diplo.jp/articles09/0903.html

當山日出夫(とうやまひでお)

追記 2009-08-29

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ARG
http://d.hatena.ne.jp/arg/20090829/1251531818

心的障碍:「ことば」が社会をかえる2009-06-11

2009/06/11 當山日出夫

「ことば」が社会をかえる、と言って、かつての「八紘一宇」など連想しようというわけではない。ある「ことば」が定着するということは、その概念が社会で共有されるということ。

以前、国立国語研究所の仕事である、難しいカタカナ用語をわかりやすく、ということがあった。今は、確か、病院のことばに取り組んでいるはず。ただ、独立行政法人からの移管の問題で、どうなるか、わからないが。

このとき、二つの考え方がある。

・「ことば」は、所詮、かりのものである。実質的にどうであるかが重要。単なる言葉の言い換えで終わることは無意味である。

一方で、

・「ことば」が定着することによって、その「ことば」のあらわす概念が社会に共有される。たとえば、「バリアフリー」など。カタカナ語はいやだ、という発想もあり得る。しかし、「バリアフリー」という「ことば」で、そのことの意味に、多くのひとが気づく。このことの意義もある。(ここで、「バリアフリー」を出したのは、この「ことば」を事例にした、投稿の意見が、新聞に掲載されたのを記憶しているので。)

「心的障碍」という「ことば」が、社会に定着するかどうか。まずは、自らがつかうことから始めるべきである。(だが、「心的障碍」の人が増えることがあってはならないのであるが。)

「心的障碍」については、
tokujirouの日記
http://d.hatena.ne.jp/tokujirou/20090611/1244676596

當山日出夫(とうやまひでお)

『思想』2009年6月号:グーグル2009-06-11

2009/06/11 當山日出夫

順序が逆になってしまったが、紹介。

岩波書店の雑誌『思想』(2009年6月号、No.1022)で、「グーグル」について、いくつかの論文が掲載。

福井健策 「グーグル裁判」の波紋と本の未来
宮下志朗 作者の権利、読者の権利、そして複製の権利
長谷川一 〈書物〉の不自由さについて
高宮利行 書物のデジタル化
R・ダーントン グーグルと書物の未来

岩波書店 『思想』
http://www.iwanami.co.jp/shiso/index.html

當山日出夫(とうやまひでお)