『デジタルコンテンツをめぐる現状報告』2009-08-08

2009-08-08 當山日出夫

『デジタルコンテンツをめぐる現状報告-出版コンテンツ研究会報告2009-』.出版コンテンツ研究会・岩本敏・佐々木隆一・加茂竜一・境真良・小林弘人.ポット出版.2009

この本の第二章「現状報告」を示すと、

・「紙」にとらわれないコンテンツ 岩本敏(小学館社長室顧問)
・「電子書籍流通の最前線」 佐々木隆一(モバイルブック・ジェーピー代表取締役会長)
・デジタル時代の印刷業の役割 加茂竜一(印刷会社)
・コンテンツで得られる利益を再配分すべきだ 境真良(経済産業省商務情報政策局情報経済課課長補佐)
・ウェブを身体で理解しろ 小林弘人(インフォバーン代表取締役CEO)

とりあえず、本の紹介である。

當山日出夫(とうやまひでお)

インターネットと文化:チャンスか危機か2009-08-08

2009-08-08 當山日出夫

ARGで紹介。ここでも記しておきたい。

国立国会図書館

ジャンヌネー前フランス国立図書館長による講演と対談 「インターネットと文化:チャンスか危機か」

http://www.ndl.go.jp/jp/event/events/jnjlecture.html

紹介文には以下のようにある。引用。

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情報検索のツールとしてGoogleなどの検索エンジンが台頭し、英語を中心とした情報社会が進んでいます。フランスの歴史家で政治家でもあるジャンヌネー氏は、文化及び言語の多様性が重要であることを強く主張し、欧州電子図書館立ち上げの基本思想を唱えました。また、フランス国立図書館長在任中の 2005年にQuand Google défie l'Europe(邦訳『Googleとの闘い―文化の多様性を守るために』佐々木 勉訳、岩波書店、2007年)を著しています。講演会では、インターネットに代表される情報社会の進展と文化との関わりなどについてお話しいただきます。

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文化の多様性と、MLA連携とは。そして、日本におけるMLA連携、人文情報学(デジタル・ヒューマニティーズ)を考えるうえで、参考になるかと思う。

當山日出夫(とうやまひでお)

質問する文化と知的誠実さについて2009-08-08

2009-08-08 當山日出夫

かたつむりは電子図書館の夢を見るか
知的コミュニティ基盤研究センター研究談話会 「プラットフォームをデザインする思想と技法-メールマガジンARG、Yahoo!知恵袋、ARGカフェを題材に」

http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20090806/1249569536

ここで、岡本真さん(ARG)のことが話題になっている。そのなかで、Yahoo!知恵袋、について次のようにあるのは、非常に示唆的である。

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日本は質問する文化にない。「なんでも聞いて」と言ったってほいほい来るわけではない。

質問するインセンティブデザイン。質問することを積極的に褒める。質問すると点数が来るのでシューティングとか好きな男性はハマる。

良回答<回答有。良い回答があることより回答があることが重要。レスポンスがないと二度と質問しなくなる。回答の品質なんて求めないからとにかく回答するように。回答には質問の倍のポイント。

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日本でも、「国際シンポジウム」として英語で発表ということがある。そのとき、欧米の人が発表しての質疑応答のとき、「good question」と言うのを、よく耳にする。というよりも、まず、そう言ってから質問に答える。

しかし、これが、日本語での学会やシンポジウムであると、この種の発言はまず無いといってよい。まあ、時々、「はい、それこそ、実は問題点なのですが……」ということも無いではないが、まれである。

発表に対しては、質問することがむしろマナーなのである、という方向になればいいと思うが、なかなかそうもいかないかもしれない。このあたり、日本の大学の授業のあり方ぐらいか論じるべきなのだろうが、それも簡単ではなさそう。

ただ、個人的な経験から述べておきたい。私が知るかぎり、知的に誠実で優秀な人は、初歩的なことでも、自分の専門分野外で知らないことであれば、きちんと質問する。文化の問題でもあるが、自らの知的誠実さの問題でもあると思う。

當山日出夫(とうやまひでお)