雨の日におもう2009-10-26

2009-10-26 當山日出夫

そういえば、晴耕雨読という言葉がある。こんな日は、家で本でも読んですごすのが、正しいのだろうが……今の時代、そうもいかない。

人間の日常生活が天候に影響されなくなった、これは文明の発達による。しかし、一方で、微妙な季節の天候の変化に鈍感になりつつあるような気がしないでもない。(いかにも、紋切り型の表現になるが)。

むかしの童謡、「あそびにいきたし、かさはなし」。傘が無くて、雨の日には、外に出られない……これは、ある程度、リアルなことであったのかもしれない。今の生活では考えられないが。傘など、コンビニで、100円出せば買える。

『放浪記』(林芙美子)のような時代があったことが、そのような生活をしていた人たちがいたことが、忘れられていく。『放浪記』でなければ、『にあんちゃん』でも。さもなくば、『明治大正史世相篇』(柳田国男)。

當山日出夫(とうやまひでお)