『Twitter社会論』2009-11-14

2009-11-14 當山日出夫

津田大介.『Twitter社会論』(新書y).洋泉社.2009

http://www.yosensha.co.jp/book/b50766.html

すでに、この本については、膨大なTwitterでのつぶやきがある。もちろん、ブログでの言及も。

ただ、強いて比較のうえでもちだすならば、『仕事で使える!Twitter超入門』(小川浩.青春出版社)と、読み比べるといい。実際にTwitterをつかうノウハウ本としては、(現時点では)小川浩の本がいい。たとえば、

これだけは知っておきたツィッターの5つのマナー

として、つぎの5つのことが記してある(pp.83-87)

1.職場や教室にいるときと同じくらい、フレンドリーな態度を忘れない
2.公の場所であることを意識しよう
3.対話しよう
4.話題を考えよう
5.投稿頻度にも気をつけよう

だが、あえて言えば、これは、SNS的な発想であるとも言えるかもしれない。これと比べて、今回の本『Twitter社会論』の最後(おわりに)の記述。著者は、Twitterを「P2P」と位置づけたうえで、次のように記す。

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こうしたツィッターの本質は、ある程度フォローする人数を増やさなければ理解することができないだろう。友人中心でフォローし、その数も50くらいまでだと、既存のSNSとの違いはほとんどわからない。ツィッターの独自性が理解できるのは、知り合い以外も含めて100人以上フォローするあたりからだ。そうすると、新聞やテレビなどのメディアを見るような感覚でツィッターを楽しめるようになってくる。

そしてタイムラインの景色が変わるのが、フォロー数300~500を越えるあたりだ。ここまでフォロー数が増えると、情報の流れが速いため、「タイムライン上の情報はすべて見なければならない」といった強迫観念から解放され、後はツィッターにアクセスしたその時々の出来事や思考という、リアルタイムの情報の流れに身を委ねればいい。

(p.189)

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さて、ここで考えること……「Twitterの正しい使い方」というのはあるのだろうか(常識的レベルのことはとりあえず別にして)。

SNS的なつかかたもできるが、また、『Twitter社会論』でいうように、TL(タイムライン)に身をまかせてしまうようなつかかたもできる。そのように柔軟な利用を可能にしているのが、Twitterのアーキテクチャなのだと思う。

私は、こういう使い方をしています。我々はこう使うようにしよう。これは言えるだろう。しかし、こう使わなければならない、ということではないように思うのである。

當山日出夫(とうやまひでお)