じんもんこん2009覚書(3)2009-12-24

2009-12-24 當山日出夫

今回の「じんもんこん」は、基本的にA会場の方にいた。(最後の日の最終セッションだけ、B会場で司会(座長)だったので移動。)

まずは、初日の午前中、「DH基礎」のセッション。半分は、あいかわらず(これまの「じんもんこん」の流れの中にある)。その一方で、白須裕之さんの「文書情報のための人文系Webサービスの設計」「テクストアーカイブにおける文字概念について」の2本連続の発表は、興味深かった。

このような「メタ」のレベルから、人文学研究というものをとらえる研究に接すると、自分のやっていること、やってきたことが何なのであろうか…という、根本的な問いかけに直面する。

午前中のセッションでは、この他も「CHISEに基づくグリフオントロジーの試み」(守岡知彦さん)があった。「文字」というものについて、多方面から議論がある、というのは、ひょっとすると、日本における、人文学研究におけるコンピュータ利用の最大の特徴の一つかもしれない。

単なるテキストデータでは処理しきれないものが、「文字」にひそんでいる。というよりも、すでにあつかってきたデータをコンピュータであつかおうとしたとき、「文字」というものに直面するようになった、と言うべきであろうか。(その延長線上に、私の関与している文字研究会もあるといえば、言えそうであるが。)

話しは、脱線するかもしれないが、コンピュータというものがなければ、今般の改定常用漢字表の問題も、そう大きな問題にならずにすんだかもしれない。コンピュータで文字をあつかう、ということをふくんで考えざるをえない状況におかれるので、種々の議論が、改定常用漢字表をめぐって起こる。

少なくとも、日本における、あるいは日本語における、デジタル・ヒューマニティーズを考えるとき、文字の研究をどのように位置づけるか、ここでふたたび考え直すべきときではないかと思ったりもした。

當山日出夫(とうやまひでお)

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