ARG『412』号の感想 ― 2010-02-01
2010-02-01 當山日出夫
『ARG』の第412号を読んですこしだけ。今回の号の中心はなんといっても、
連載企画:国立国会図書館若手連続インタビュー(1)
であろう。ざっと読んでだけれども、やはりキーワードになるのは「知のインフラ」だろう。これをどのような意味でつかうのか、人によってことなるにちがいない。ここで、注目すべきは次のことばかなと思う。
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インフラたろうとするいい意味での謙虚さがないように思います。
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これは、特に今の国会図書館のあり方を批判したというよりも、非常にひろい意味で、図書館がいまの我々に何をもたらしてくれているかを考えるうえで、非常に刺激的なことばだと私はうけとめる。
そして、それを実践していくうえで、長尾館長の発言などについて、
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館内にもっと討論をする土壌が欲しいです。館長の自説についての討論ももちろんですが、職員が語ることをあまりにもしないという状況では、次世代も育たないのでは、と思います。
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とある。図書館自体が、図書館について議論する「場」でなければならない。それは、同時に、外の人とのコミュニケーションのなかにある。だが、出しゃばりすぎでもいけない。基本となるべき図書館のサービスとは何かをふまえたものであり、実践をともなわないと……というあたりだろうか。
図書館の利用者の立場として述べるならば、図書館で、図書館の人がいったい何を考えいるのか、それが、もっと表に出てきてもいいように思う。それが、理念のとしての表明にとどまるかもしれないし、また、現実的な予算の問題もあるかもしれない。だが、このように利用してほしいというメッセージは、もっと強く発信していいのではないだろうか。
図書館の「公共性」ということと、「個性」ということを、ふと思うような次第である。
あまり時間がないので、雑ぱくな感想でもうしわけないけど。
當山日出夫(とうやまひでお)
『ARG』の第412号を読んですこしだけ。今回の号の中心はなんといっても、
連載企画:国立国会図書館若手連続インタビュー(1)
であろう。ざっと読んでだけれども、やはりキーワードになるのは「知のインフラ」だろう。これをどのような意味でつかうのか、人によってことなるにちがいない。ここで、注目すべきは次のことばかなと思う。
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インフラたろうとするいい意味での謙虚さがないように思います。
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これは、特に今の国会図書館のあり方を批判したというよりも、非常にひろい意味で、図書館がいまの我々に何をもたらしてくれているかを考えるうえで、非常に刺激的なことばだと私はうけとめる。
そして、それを実践していくうえで、長尾館長の発言などについて、
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館内にもっと討論をする土壌が欲しいです。館長の自説についての討論ももちろんですが、職員が語ることをあまりにもしないという状況では、次世代も育たないのでは、と思います。
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とある。図書館自体が、図書館について議論する「場」でなければならない。それは、同時に、外の人とのコミュニケーションのなかにある。だが、出しゃばりすぎでもいけない。基本となるべき図書館のサービスとは何かをふまえたものであり、実践をともなわないと……というあたりだろうか。
図書館の利用者の立場として述べるならば、図書館で、図書館の人がいったい何を考えいるのか、それが、もっと表に出てきてもいいように思う。それが、理念のとしての表明にとどまるかもしれないし、また、現実的な予算の問題もあるかもしれない。だが、このように利用してほしいというメッセージは、もっと強く発信していいのではないだろうか。
図書館の「公共性」ということと、「個性」ということを、ふと思うような次第である。
あまり時間がないので、雑ぱくな感想でもうしわけないけど。
當山日出夫(とうやまひでお)
これからの予定など ― 2010-02-04
2010-02-04 當山日出夫
これからの予定など、いささか。
2月19日 国会図書館
ディジタル情報資源の長期保存とディジタルアーカイブの長期利用に関する国際シンポジウム
※とりあえず、申し込んだ。ま、どうにかなるだろう。「調整」されないようにお願いすることにしよう。
2月20日
「障害者」から「障碍者」へ。さらに…
~「精神障害者」の呼称と表記を考えるシンポジウム~
※「国語学」の研究者の立場から、今の、改定常用漢字表(試案)について、何かしゃべらないといけない。
2月22~23日
京都大学
文化とコンピューティング国際会議
※どのような話題が、どのように語られるか、興味のあるところ。
3月19日
京都大学
東洋学へのコンピュータ利用
※今年も発表することになってしまった。DVD版内村鑑三全集について話す予定。学術的な電子出版の意義について、自分なりに考えをまとめてみたい。
で、この原稿のしめきりが・・・たしか25日。東京に行く前に、仕上げてしまわないと。
當山日出夫(とうやまひでお)
これからの予定など、いささか。
2月19日 国会図書館
ディジタル情報資源の長期保存とディジタルアーカイブの長期利用に関する国際シンポジウム
※とりあえず、申し込んだ。ま、どうにかなるだろう。「調整」されないようにお願いすることにしよう。
2月20日
「障害者」から「障碍者」へ。さらに…
~「精神障害者」の呼称と表記を考えるシンポジウム~
※「国語学」の研究者の立場から、今の、改定常用漢字表(試案)について、何かしゃべらないといけない。
2月22~23日
京都大学
文化とコンピューティング国際会議
※どのような話題が、どのように語られるか、興味のあるところ。
3月19日
京都大学
東洋学へのコンピュータ利用
※今年も発表することになってしまった。DVD版内村鑑三全集について話す予定。学術的な電子出版の意義について、自分なりに考えをまとめてみたい。
で、この原稿のしめきりが・・・たしか25日。東京に行く前に、仕上げてしまわないと。
當山日出夫(とうやまひでお)
セインズベリー日本藝術研究所と英国の文化財アーカイブ ― 2010-02-05
2010-02-05 當山日出夫
すでにご存知の方もおおいと思うが、こちらでも宣伝。興味・関心のある方はぜひとも。JADS(アート・ドキュメンテーション学会)の研究会ですが、参加は、自由に申し込めます。
アート・ドキュメンテーション学会:ブログ
http://d.hatena.ne.jp/JADS/20100128/1264655267
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第64回研究会のお知らせ
東京文化財研究所・JADS共催「セインズベリー日本藝術研究所と英国の文化財アーカイブ」
1999年、英国東部のノリッジに設立されたセインズベリー日本藝術研究所は、海外にある日本の芸術文化の研究拠点として積極的な活動を展開しています。また同研究所のリサ・セインズベリー図書館は日本の芸術文化に関する図書や資料を所蔵し、その中には陶芸家バーナード・リーチや美術史研究者柳澤孝の旧蔵書も含まれ、とくに柳澤の蔵書については彼女の勤務先であった東京文化財研究所も深い縁があります。このたび東京文化財研究所企画情報部、アート・ドキュメンテーション学会の共催にて、同図書館の司書を務めておられる平野明氏をお招きし、セインズベリー日本藝術研究所や英国の文化財アーカイブについてお話をうかがうこととなりました。海外の日本研究やアーカイブの現状をうかがい、意見交換を行う貴重な機会となりますので、ふるってご参加くださいますよう、お願い申し上げます。
セインズベリー日本藝術研究所のウェブサイト
http://www.sainsbury-institute.org/
記
日 時:2010年2月25日(木)午後2:00~5:00
場 所:東京文化財研究所 地階セミナー室
申込方法:「2月25日研究会参加」と明記の上、お名前(読み仮名も併せてお願いします)・ご所属・ご連絡先(ご住所・お電話番号)を添えて、メール(kjkenkyukai■tobunken.go.jp)もしくはファックス(03-3823-2371)にて、2月19日(金)までにお申し込みください。ご不明の点につきましては、下記問い合わせ先までお尋ねください。なお参加費は無料です。
プログラム:
午後2:00~3:00
発表「セインズベリー日本藝術研究所の活動と資料―英国における日本美術研究の現場から」
平野 明氏(セインズベリー日本藝術研究所 リサ・セインズベリー図書館 司書)
午後3:30~5:00
ディスカッション「セインズベリー日本藝術研究所と英国の文化財アーカイブ」
パネラー 平野 明氏
森下正昭氏(東京文化財研究所企画情報部客員研究員)
出光佐千子氏(出光美術館学芸員)
司 会 塩谷 純(東京文化財研究所企画情報部文化形成研究室長)
問合せ先:〒110-8713 東京都台東区上野公園13-43 東京文化財研究所
塩谷 純 tel 03-3823-4827 e-mail jshioya■tobunken.go.jp
江村知子 tel 03-3823-4862 e-mail emura■tobunken.go.jp
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當山日出夫(とうやまひでお)
すでにご存知の方もおおいと思うが、こちらでも宣伝。興味・関心のある方はぜひとも。JADS(アート・ドキュメンテーション学会)の研究会ですが、参加は、自由に申し込めます。
アート・ドキュメンテーション学会:ブログ
http://d.hatena.ne.jp/JADS/20100128/1264655267
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第64回研究会のお知らせ
東京文化財研究所・JADS共催「セインズベリー日本藝術研究所と英国の文化財アーカイブ」
1999年、英国東部のノリッジに設立されたセインズベリー日本藝術研究所は、海外にある日本の芸術文化の研究拠点として積極的な活動を展開しています。また同研究所のリサ・セインズベリー図書館は日本の芸術文化に関する図書や資料を所蔵し、その中には陶芸家バーナード・リーチや美術史研究者柳澤孝の旧蔵書も含まれ、とくに柳澤の蔵書については彼女の勤務先であった東京文化財研究所も深い縁があります。このたび東京文化財研究所企画情報部、アート・ドキュメンテーション学会の共催にて、同図書館の司書を務めておられる平野明氏をお招きし、セインズベリー日本藝術研究所や英国の文化財アーカイブについてお話をうかがうこととなりました。海外の日本研究やアーカイブの現状をうかがい、意見交換を行う貴重な機会となりますので、ふるってご参加くださいますよう、お願い申し上げます。
セインズベリー日本藝術研究所のウェブサイト
http://www.sainsbury-institute.org/
記
日 時:2010年2月25日(木)午後2:00~5:00
場 所:東京文化財研究所 地階セミナー室
申込方法:「2月25日研究会参加」と明記の上、お名前(読み仮名も併せてお願いします)・ご所属・ご連絡先(ご住所・お電話番号)を添えて、メール(kjkenkyukai■tobunken.go.jp)もしくはファックス(03-3823-2371)にて、2月19日(金)までにお申し込みください。ご不明の点につきましては、下記問い合わせ先までお尋ねください。なお参加費は無料です。
プログラム:
午後2:00~3:00
発表「セインズベリー日本藝術研究所の活動と資料―英国における日本美術研究の現場から」
平野 明氏(セインズベリー日本藝術研究所 リサ・セインズベリー図書館 司書)
午後3:30~5:00
ディスカッション「セインズベリー日本藝術研究所と英国の文化財アーカイブ」
パネラー 平野 明氏
森下正昭氏(東京文化財研究所企画情報部客員研究員)
出光佐千子氏(出光美術館学芸員)
司 会 塩谷 純(東京文化財研究所企画情報部文化形成研究室長)
問合せ先:〒110-8713 東京都台東区上野公園13-43 東京文化財研究所
塩谷 純 tel 03-3823-4827 e-mail jshioya■tobunken.go.jp
江村知子 tel 03-3823-4862 e-mail emura■tobunken.go.jp
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當山日出夫(とうやまひでお)
『ARG』413号の感想 ― 2010-02-08
2010-02-08 當山日出夫
『ARG』413号の感想を少し。少し書こうと思っても、今回の号は、インタビューが二つもある。さて、どちらからにしようか……
で、まずは、前回のつづきで国会図書館(倉重さん)の方から。気になったところとしては、国会図書館内部が長尾館長を中心にずいぶんと自由闊達な動きができる組織だな、ということ。この基盤があったからこそ、d-laboでの連続対談が実現できている。このことがまず。
次に、ナルホドと思ったのは、次のような箇所、
>>>>>
あと、国立国会図書館自身が、コンテンツをつくって発信するということができるようにしたいと考えました。そうでないと、単なる古文書館になってしまうと思ったので……。もちろん、古文書をばかにしているわけではないですよ。ただ、国立国会図書館の存在にもっとリアルタイム性を持たせたかったのです。国立国会図書館は100年後にデータを提供できればいい、というのは嫌だった
のです。
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アーカイブズ(文書館)は、「のこす」ことに価値を見いだすとするならば、ライブラリ(図書館)は、「いま、つかわれる」ことに価値がある、と理解していいだろうか。MLA連携というとき、このところの、基本の価値観(その違い)をふまえておかなければならないだろう。ただ、デジタルの検索機能で、横断検索できればいいというものではない、と言える。
それは、次の発言にも顕著に見てとることができよう、
>>>>>
そうですね。ためているだけだと本で言えば死蔵冊数が単純に増えることになりかねなくて。データベースに格納された1つ1つのコンテンツだけではなくて、データベース自体、まるごと使うがゆえに提供できるサービスがあったらいいなと。たとえば、データベースが様々な統計的操作を受け付けるようにするとか。操作するためのプログラムは誰もが開発できて、配布しても商品として販売してもよくて。正確には、そういうことを可能にするインフラというか。
<<<<<
ここで出てくる「インフラ」ということば。前回のインタビュー(原さん)につながる。ここで「インフラ」ということばが出てくるのは、偶然ではないだろう。リアルにおいても、WEBにおいても、デジタル・ライブラリ構想においても、日本の中核たる国会図書館だからこそ、出てくることばだと思う。
それにしても、はやく、d-laboの連続対談、本にしてほしいと思うのである。
當山日出夫(とうやまひでお)
『ARG』413号の感想を少し。少し書こうと思っても、今回の号は、インタビューが二つもある。さて、どちらからにしようか……
で、まずは、前回のつづきで国会図書館(倉重さん)の方から。気になったところとしては、国会図書館内部が長尾館長を中心にずいぶんと自由闊達な動きができる組織だな、ということ。この基盤があったからこそ、d-laboでの連続対談が実現できている。このことがまず。
次に、ナルホドと思ったのは、次のような箇所、
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あと、国立国会図書館自身が、コンテンツをつくって発信するということができるようにしたいと考えました。そうでないと、単なる古文書館になってしまうと思ったので……。もちろん、古文書をばかにしているわけではないですよ。ただ、国立国会図書館の存在にもっとリアルタイム性を持たせたかったのです。国立国会図書館は100年後にデータを提供できればいい、というのは嫌だった
のです。
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アーカイブズ(文書館)は、「のこす」ことに価値を見いだすとするならば、ライブラリ(図書館)は、「いま、つかわれる」ことに価値がある、と理解していいだろうか。MLA連携というとき、このところの、基本の価値観(その違い)をふまえておかなければならないだろう。ただ、デジタルの検索機能で、横断検索できればいいというものではない、と言える。
それは、次の発言にも顕著に見てとることができよう、
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そうですね。ためているだけだと本で言えば死蔵冊数が単純に増えることになりかねなくて。データベースに格納された1つ1つのコンテンツだけではなくて、データベース自体、まるごと使うがゆえに提供できるサービスがあったらいいなと。たとえば、データベースが様々な統計的操作を受け付けるようにするとか。操作するためのプログラムは誰もが開発できて、配布しても商品として販売してもよくて。正確には、そういうことを可能にするインフラというか。
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ここで出てくる「インフラ」ということば。前回のインタビュー(原さん)につながる。ここで「インフラ」ということばが出てくるのは、偶然ではないだろう。リアルにおいても、WEBにおいても、デジタル・ライブラリ構想においても、日本の中核たる国会図書館だからこそ、出てくることばだと思う。
それにしても、はやく、d-laboの連続対談、本にしてほしいと思うのである。
當山日出夫(とうやまひでお)
『ARG』414号の感想 ― 2010-02-18
2010-02-18 當山日出夫
しばらく更新をさぼってしまっていた。明日(19日)は、東京に行って、国会図書館の「ディジタル情報資源の長期保存とディジタルアーカイブの長期利用に関する国際シンポジウム」。
そのつぎの20日は、「「精神障害者」の呼称と表記を考えるシンポジウム」で話し。
帰ったら、京大で「文化とコンピューティング」の国際会議。これは、取材する側になってしまったので、漫然と聞いていればいいというわけにはいかない。
その後に、絶対の期限が25日という原稿の締め切り「東洋学へのコンピュータ利用」(3月19日)
というようなわけで、発表の準備やら、原稿を書いたりで、おくれてしまった。
で、ようやく、『ARG』414号の感想。
連続しての「国立国会図書館若手連続インタビュー(3)」である。今回は、堤恵さん。
さて、やっぱり(?)出てくる言葉が、「インフラ」ということ。これは、別に岡本さんが誘導しているわけではなく、自然とそうなっているのかなとも思うが、どうだろうか。
>>>>>
うーん、就職活動当初はインフラという役割よりは、「民主主義の存立を根本で支えている組織」という国立国会図書館の設立理念のでかさを強く意識して、興味を持った気がします。
<<<<<
この意味では、国立公文書館も、理念としては、近代の民主主義の根幹をささえる機能を持っているべきものである。が、ここに発想がいたらなかったかもしれないというのは、やはり、日本におけるアーカイブズの問題か。しかし、MLA連携が言われる現在、民主主義のインフラとしての、図書館ならびに公文書館の役割は、非常に大きくなっているはずだし、相互の連携が欠かせないだろう。
それから、今回のインタビューで特筆すべきは、なんといっても、カレントアゥアネスの舞台裏。そして、図書館全体として、館外に対してどう対応していくかの基本姿勢の問題点だろう。今回の国会図書館で紹介されている事例は、これがうまく機能していることとして紹介してある。
だが、これが、もしうまくいかないとしたらどうなるか……これを書いている、今の私の頭のなかにあるのは、公文書管理法のことである。
ともあれ、今回の号は、国会図書館のカレントアゥエアネスに興味を持っている人には、必読である。
當山日出夫(とうやまひでお)
しばらく更新をさぼってしまっていた。明日(19日)は、東京に行って、国会図書館の「ディジタル情報資源の長期保存とディジタルアーカイブの長期利用に関する国際シンポジウム」。
そのつぎの20日は、「「精神障害者」の呼称と表記を考えるシンポジウム」で話し。
帰ったら、京大で「文化とコンピューティング」の国際会議。これは、取材する側になってしまったので、漫然と聞いていればいいというわけにはいかない。
その後に、絶対の期限が25日という原稿の締め切り「東洋学へのコンピュータ利用」(3月19日)
というようなわけで、発表の準備やら、原稿を書いたりで、おくれてしまった。
で、ようやく、『ARG』414号の感想。
連続しての「国立国会図書館若手連続インタビュー(3)」である。今回は、堤恵さん。
さて、やっぱり(?)出てくる言葉が、「インフラ」ということ。これは、別に岡本さんが誘導しているわけではなく、自然とそうなっているのかなとも思うが、どうだろうか。
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うーん、就職活動当初はインフラという役割よりは、「民主主義の存立を根本で支えている組織」という国立国会図書館の設立理念のでかさを強く意識して、興味を持った気がします。
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この意味では、国立公文書館も、理念としては、近代の民主主義の根幹をささえる機能を持っているべきものである。が、ここに発想がいたらなかったかもしれないというのは、やはり、日本におけるアーカイブズの問題か。しかし、MLA連携が言われる現在、民主主義のインフラとしての、図書館ならびに公文書館の役割は、非常に大きくなっているはずだし、相互の連携が欠かせないだろう。
それから、今回のインタビューで特筆すべきは、なんといっても、カレントアゥアネスの舞台裏。そして、図書館全体として、館外に対してどう対応していくかの基本姿勢の問題点だろう。今回の国会図書館で紹介されている事例は、これがうまく機能していることとして紹介してある。
だが、これが、もしうまくいかないとしたらどうなるか……これを書いている、今の私の頭のなかにあるのは、公文書管理法のことである。
ともあれ、今回の号は、国会図書館のカレントアゥエアネスに興味を持っている人には、必読である。
當山日出夫(とうやまひでお)
デジタルアーカイブという用語のこと ― 2010-02-19
2010-02-19 當山日出夫
今日は、国立国会図書館で、
ディジタル情報資源の長期保存とディジタルアーカイブの長期利用に関する国際シンポジウム
だった。(なまえが長いと入力するだけで、つかれるよ)
で、ひとことだけ、感想。
「Digital Archives」と「Digital Preservation」、これは、区別して使用する必要がある。私の聞いていた範囲(同時通訳であるが)では、発表者で海外からの方は、これを区別してつっていたように思える。意図的にであるかどうかはわからないが。
日本の場合、いきなり、「デジタルアーカイブ(Digital Archives)」と称してしまったために、いろいろと、アーカイブズ専門の人たちとの間で、いきちがいがあったように、私は思う。詳しくは追ってまた。明日は、別のシンポジウムで、改定常用漢字表の話し。その準備のチェックなど、これから。
當山日出夫(とうやまひでお)
今日は、国立国会図書館で、
ディジタル情報資源の長期保存とディジタルアーカイブの長期利用に関する国際シンポジウム
だった。(なまえが長いと入力するだけで、つかれるよ)
で、ひとことだけ、感想。
「Digital Archives」と「Digital Preservation」、これは、区別して使用する必要がある。私の聞いていた範囲(同時通訳であるが)では、発表者で海外からの方は、これを区別してつっていたように思える。意図的にであるかどうかはわからないが。
日本の場合、いきなり、「デジタルアーカイブ(Digital Archives)」と称してしまったために、いろいろと、アーカイブズ専門の人たちとの間で、いきちがいがあったように、私は思う。詳しくは追ってまた。明日は、別のシンポジウムで、改定常用漢字表の話し。その準備のチェックなど、これから。
當山日出夫(とうやまひでお)
デジタルアーカイブという用語のこと(2) ― 2010-02-20
2010-02-20 當山日出夫
昨日のつづきを、すこし。(まだ、東京にいる。)
ややこしいことばが、
・デジタルアーカイブ
それに、
・Digital Preservation (デジタル保存とでも訳せばいいか)
さらに、
・データベース
それから、
・単なる資料のデジタル化
これらのレベルというか、概念、用語が、あまり整理されずに使われてきているのが、日本の問題点だろうと思う。いま、さらに、「デジタルライブラリ」「デジタルミュージアム」が現実のものになろうとしているとき、このあたりの用語と概念の整理がまず必要だろうなあ、と感じる次第である。
少なくとも、「デジタルアーカイブ」の語は、「アーカイブズ学」の中の専門用語のひとつとして、使うようにした方が、いいように思う。これは、アーカイブズ学のためにとっても、また、一般に人文学研究でコンピュータやデジタル化資料をあつかう側の人間にとっても、である。
當山日出夫(とうやまひでお)
昨日のつづきを、すこし。(まだ、東京にいる。)
ややこしいことばが、
・デジタルアーカイブ
それに、
・Digital Preservation (デジタル保存とでも訳せばいいか)
さらに、
・データベース
それから、
・単なる資料のデジタル化
これらのレベルというか、概念、用語が、あまり整理されずに使われてきているのが、日本の問題点だろうと思う。いま、さらに、「デジタルライブラリ」「デジタルミュージアム」が現実のものになろうとしているとき、このあたりの用語と概念の整理がまず必要だろうなあ、と感じる次第である。
少なくとも、「デジタルアーカイブ」の語は、「アーカイブズ学」の中の専門用語のひとつとして、使うようにした方が、いいように思う。これは、アーカイブズ学のためにとっても、また、一般に人文学研究でコンピュータやデジタル化資料をあつかう側の人間にとっても、である。
當山日出夫(とうやまひでお)
Digital Preservaion ― 2010-02-21
2010-02-21 當山日出夫
東京に行って、国会図書館での、
ディジタル情報資源の長期保存とディジタルアーカイブの長期利用に関する国際シンポジウム
すでに書いたことだが、確認しておこうと思う。結論から書けば、
Digital Archives
Digital Preservation
これらは、区別してつかうようにした方がいい。今は、デジタル化=デジタルアーカイブ、といような意味合いでつかう傾向がないではない。しかし、そうではなく、もっと、デジタルアーカイブという言葉は、限定して使うべきだと思う。
より広義には、デジタル・プリザベイション(Digital Preservation)がまずある。そのうちで、「アーカイブズ(Archives)」の方法(その考え方、方法、倫理など)にのっとって行われるものに限定して、資料のデジタル化保存の一部について、「デジタル・アーカイブ」と称した方がいい。
残すべきものをえらび(捨てるべきものを捨てて)、その記録をきちんととって、デジタル環境にふさわしい方法で、新しい、デジタル・アーカイブズは、構築されていくべきものと、考える。そうではなく、ただ、現状がアナログであるものを、劣化防止や公開の意図で、デジタル化するというのは、少し方向がちがう。デジタル保存(Preservation)がふさわしい。だが、これも、より厳密には、きちんと定義しなければならないだろうが、とりあえずは、アーカイブズとは分離した方がいい。
デジタル化、デジタル保存と、「アーカイブズ」を分離して考えるところから、おそらくは、これからの、デジタルアーカイブズが、生まれてくるのだろうと思う。
明日から、京大で、文化とコンピューティング。さて、どんな話しがきけるか楽しみである。ここに書いたようなことが、どれほどの人が考えていてくれるだろうか。
當山日出夫(とうやまひでお)
東京に行って、国会図書館での、
ディジタル情報資源の長期保存とディジタルアーカイブの長期利用に関する国際シンポジウム
すでに書いたことだが、確認しておこうと思う。結論から書けば、
Digital Archives
Digital Preservation
これらは、区別してつかうようにした方がいい。今は、デジタル化=デジタルアーカイブ、といような意味合いでつかう傾向がないではない。しかし、そうではなく、もっと、デジタルアーカイブという言葉は、限定して使うべきだと思う。
より広義には、デジタル・プリザベイション(Digital Preservation)がまずある。そのうちで、「アーカイブズ(Archives)」の方法(その考え方、方法、倫理など)にのっとって行われるものに限定して、資料のデジタル化保存の一部について、「デジタル・アーカイブ」と称した方がいい。
残すべきものをえらび(捨てるべきものを捨てて)、その記録をきちんととって、デジタル環境にふさわしい方法で、新しい、デジタル・アーカイブズは、構築されていくべきものと、考える。そうではなく、ただ、現状がアナログであるものを、劣化防止や公開の意図で、デジタル化するというのは、少し方向がちがう。デジタル保存(Preservation)がふさわしい。だが、これも、より厳密には、きちんと定義しなければならないだろうが、とりあえずは、アーカイブズとは分離した方がいい。
デジタル化、デジタル保存と、「アーカイブズ」を分離して考えるところから、おそらくは、これからの、デジタルアーカイブズが、生まれてくるのだろうと思う。
明日から、京大で、文化とコンピューティング。さて、どんな話しがきけるか楽しみである。ここに書いたようなことが、どれほどの人が考えていてくれるだろうか。
當山日出夫(とうやまひでお)
いつ止めるかの判断 ― 2010-02-24
昨日、一昨日とは、京大で、「文化とコンピューティング」。これは、これで、追って感想など書こうと思う。その前に、その前(先週)の国会図書館のシンポジウムの件。
ディジタル情報資源の長期保存とディジタルアーカイブの長期利用に関する国際シンポジウム
このシンポジウムの発表を聴いていて、興味深いと思ったこと、一つ書いておきたい。それは、最後の発表にあった、
講演「電子情報の長期保存計画支援ツール“Plato”による信頼できる計画の作成」
アンドレアス・ラウバー (ウィーン工科大学教授)
で、語られたこと。それは、ある制度やシステムを設計するとき、「いつ止めるか」を組み込んでおかなければならない、という論点の指摘。
たとえば、あるデジタル保存の技術がある、(PDFであるとか、JPEGであるとか)、これを採用するには、まず何かの判断基準による。そして、その時に考えなければならないことは、どのような状況になったら、それを止めて次の方式に移行するのか、その基準を企画のスタートの時点から、内部に持っていなければならない、ということ。
個人的に、これを、わかりやすく言い換えるとこんなふうにも言えるか。たとえば、戦争。太平洋戦争(大東亜戦争)、いろんな歴史的評価があるだろうが、私の考えとして一つだけ言えるかとおもうことがある。それは、どのような局面になったら、この戦争を終わらせる(和平交渉に入る、負けることにする、など)の、判断があらかじめ用意されていなかった、ということ。これは、どのような歴史観にもとづく人であっても、おおかたの同意は得られる、日本の失敗、それも致命的な、であることかと思う。
あることを「はじめる」ときには、どのように「おわる」かを、あらかじめ考えておかななければならない。デジタル保存(Digital Preservation)についても、同様。どのような次の世代の技術基盤があらわれたときに、そこに移行するか、最初から考えておかなければならない。
この観点から、身の回りでおこなわれている各種のプロジェクトを見ると、いつの時点になったら、止めるか。技術的な方式を変更するか。あまり、考えられていないように思える。それを始めたときは、その時点での最新の技術であり、最良の選択であったかもしれない。しかし、ドッグイヤーのコンピュータの世界である。すぐに、次の世代の技術が登場する。
たとえば、いまでは、TwitterにUsteram、この組み合わせによる実況。簡単にできてしまう。このなかで、たとえば、研究会の様子を、わざわざ録画して編集して、ということを続けるとするならば、その意義はどこにあるのか、常に最新の技術の状況のなかで判断が要求される。(よほど高品質の、Eラーニング教材でも作るような場面ぐらいになるだろうか。)
なにかを始めるときには、いつどのようにして終わりにするのかを、最初から制度設計のなかに組み込んでおかなければならない。このことの重要性を、再認識した次第である。
當山日出夫(とうやまひでお)
プリンタのインク ― 2010-02-25
2010-02-25 當山日出夫
我が家には、インクジェットのプリンタが、4台ある。家の中のあちこちで、つかっている。
これらを買うとき考えたのが、同じ種類のインクを使えること。こうしておかないと、プリンタのインクを買いそろえるだけで、とっても面倒なことになる。買った年代がちがって機種がちがっても、同じインクがつかえると、まとめて買っても間違えることがない。それに、いざというとき、どこか他のプリンタから、無くなったインクを補充して間に合わせることもできる。
このような状態であるので、次に買い換えるときは、まとめてごっそりと、廃棄処分にして、何台かまとめて、ということにならざるをえない。たぶん、あと数年は、今の機械がうごくかぎりは、このまま使うつもりでいる。
つぎのきっかけは、子供の進学のときになるか……いま、各人で自分のパソコンは持っているが、プリンタは必ずしも持たせていない。プリントアウトの必要があるときは、リビングにある「みんなのパソコン」のをつかう、という方式にしてある。
そろそろ次の年度の我が家のパソコン(LANとプリンタ)の環境を、再考のときに近づいてきている。さて、どうしたものか、である。
花粉症のシーズンなので、なかなか仕事がはかどらない。気晴らしに外出して、というわけにいかない。外に出ると、つらい。
當山日出夫(とうやまひでお)
我が家には、インクジェットのプリンタが、4台ある。家の中のあちこちで、つかっている。
これらを買うとき考えたのが、同じ種類のインクを使えること。こうしておかないと、プリンタのインクを買いそろえるだけで、とっても面倒なことになる。買った年代がちがって機種がちがっても、同じインクがつかえると、まとめて買っても間違えることがない。それに、いざというとき、どこか他のプリンタから、無くなったインクを補充して間に合わせることもできる。
このような状態であるので、次に買い換えるときは、まとめてごっそりと、廃棄処分にして、何台かまとめて、ということにならざるをえない。たぶん、あと数年は、今の機械がうごくかぎりは、このまま使うつもりでいる。
つぎのきっかけは、子供の進学のときになるか……いま、各人で自分のパソコンは持っているが、プリンタは必ずしも持たせていない。プリントアウトの必要があるときは、リビングにある「みんなのパソコン」のをつかう、という方式にしてある。
そろそろ次の年度の我が家のパソコン(LANとプリンタ)の環境を、再考のときに近づいてきている。さて、どうしたものか、である。
花粉症のシーズンなので、なかなか仕事がはかどらない。気晴らしに外出して、というわけにいかない。外に出ると、つらい。
當山日出夫(とうやまひでお)
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