知的資産を繋ぐ-ヨーロッパの実践2010-03-03

2010-03-03 當山日出夫

どこかに、簡潔に、Europeanaについて書いたサイトがないものだろうか。

Wikipediaの項目は、「Europeana」で検索すると「ヨーロピアナ」に移行して、ほんのわずかの説明しかない。かといって、本家のサイトにリンクしても、それこそ、いったいこれがなんであるのか、わからない。

昨日の、国立国会図書館の

デジタル情報資源ラウンドテーブル発足記念講演会
「知的資産を繋ぐ-ヨーロッパの実践」

に行ってきた。開催は東京。近くの関西館でも中継で参加できたので、こちらに。

内容は以下のとおり、
http://www.ndl.go.jp/jp/event/events/mlalecture.html

講演「デンマークのデジタルコンテンツポータル"KulturPerler(文化の真珠)"の現状と展望-MLA連携の視点から」
  エルランド・コールディング・ニールセン氏(デンマーク王立図書館長)

講演「Europeana:その過去、現在、未来と真のMLA連携」
  ジル・カズンズ氏(欧州デジタル図書館事務局長)

パネルディスカッション「MLA連携の意義について」
  エルランド・コールディング・ニールセン氏(デンマーク王立図書館長)
  ジル・カズンズ氏(欧州デジタル図書館事務局長)
  田窪 直規氏(近畿大学短期大学部教授)
  長尾 真(国立国会図書館長)

まあ、だいたいわかるのであるが……やはり隔靴掻痒の感はまぬがれない。特に、Europeanaについては、冒頭で、かなり具体的に、アール・ヌーボーの事例をひいて、いろんな検索結果画面を紹介してくれていた。これはこれでわかるのであるが、しかし、いまひとつ実感として強烈な印象があるところまでいかない。

これは、日本とヨーロッパの美術作品のデジタル化(WEBでどう見せるか)の文化の違いもあるのかもしれない。あるいは、私が、予備知識が無いということもあろう。なによりも、自分で探していないので、というのが致命的。(これが日本の古典籍類なら、問題点などすぐにわかるのであるが。)

このような、(私のような)人間にも、概略、Europeanaとはどんなものであるのか、実感できるには、どうすればいいのだろうか。個別のデータの画像の質とか、判断しながら見るということが必要になるのであるが。

しかし、一方で、説明の方は、比較的よくわかる。Europeanaは、アグリテータのアグリゲータである。つまり、各EU諸国の機関が持っているデータを集めて整理して提供している。このような理念の部分は、理解できる。

日本で、国会図書館が中心になって、「デジタル情報資源ラウンドテーブル」を構想する、実際につくった、ということであるならば、その次のステップは、具体的に、ではどのようなことができるのかビジョンを示すことだろう。その代表例が、やはり、EUのEuropeanaになる。このEuropeanaを、わかりやすく解説するサイト……Wikipediaでもよい……これを、つくって明示することが、急務ではないであろうか。

まずは、関係者に、ウィキペディアの、Europeanaの日本語版の項目の執筆をお願いしたいところである。

當山日出夫(とうやまひでお)

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