電子図書館を軸にした人文情報学の連携2010-04-02

2010-04-02 當山日出夫

この前、(これは書いてかまわないはずであるが)「センターネット」の会議を、立命館で行っている。「センターネット」って言われても、これだけでは何のことだかわからない。話しを聞いてみると、「デジタル・ヒューマニティーズ」の関係する「センターネット」ということらしい。(もうちょっとわかりやすい名前にしてほしいなあ。「デジタル・ヒューマニティーズ」も強いて日本語にすれば、「人文情報学」といったところか。)

私は、これには出なかった。別のところ、別の会があって(これは書かないでおく)に出ていた。同じように、デジタル化した文化資源についての集会。ちょうど日程が重なっていた。ちょうど東京に行く日程との都合を考えて、私としては、こちらに出てきた。

これから、デジタル・ヒューマニティーズの相互の連携を考えるとき、基本として、電子図書館(デジタル・ライブラリ)も視野にいれないとダメだろう。そして、MLAの連携。これを基本にしなければならないと思う。

ただ、今の、デジタル・ライブラリの発想では、特に古典籍の画像データ化については、いろいろと言うべきことが多い。だから、相手にしない……ではなく、だかかこそ、同じテーブルについて、こちらの希望をきちんと伝える努力が必要になると思う。古典籍の研究のためには、このような電子図書館でないと意味がありませんと、研究者の視点・立場から提言すべきである。

そして、このような提言のうえにたってであるが、研究者・研究機関・研究組織などの、相互の連携の軸になるのは、やはり、図書館であると、私は思っている。この意味で、図書館についていうならば、利用者の意見に耳をかたむけてもらいたい。特に、研究者の意見に。

これまでの、『ARG』のインタビュー記事など読んでくると、決して、国会図書館や、その周辺の図書館、そして、これからの電子図書館の世界は、窮屈なものではない。いや、非常にオープンで融通のきく世界だと思う。ただ、そこに対して、きちんとものを言う人(研究者など)がいるかどうか、である。

私個人でできることなど、たかがしれている。だが、そのような場を相互に連携させるきっかけぐらいは、どうにかして、一つでも二つでもいいから、設定していきたいものである。

などということを、新年度の初めにかんがえている。書かなければいけない原稿もあるし、新学期の授業の準備もあるのだけれど。

當山日出夫(とうやまひでお)