冷泉家「王朝の和歌守展」2010-04-30

2010-04-30 當山日出夫

昨日は、29日、祝日であるが、京都まで行ってきた。京都文化博物館で開催の、冷泉家展を見るためである。この展覧会、前半と後半で、ごっそりと展示をいれかるとのことなので、ともあれ前半を見に行っておかないといけない。

いろいろ言いたいことはあるが……ひとつは、モノを残すということの意味。これは、以前、東京国利博物館で見た、陽明文庫の展覧会のときにも感じたことである。

アーカイブズ、ということの意味を、あれこれと考えるのである。

それに、このような展覧会、大学で日本文学(国文学)を勉強している学生なら、是非とも見ておかねばと思うのであるが、たまたま、私が行ったときは、それらしき、若い女性がひとりいて、メモをとりながら展示品を見ていた。

祝日であったが、比較的すいていたので、単に見るだけではなく、読むことができた。(定家の文字というのは、独特であるが、読みやすい。いわゆる「定家様」を生み出しているのである。)

興味深かったのは、和歌の写本などをするときに、まっすぐに用紙(料紙)に文字を書くための、罫線枠。紙のサイズの大きな枠をつくって、それに縦に糸をはってある。このようなものが、実際に展示されているのは、めづらしい。

和歌を残す=写本をつくる、ということなのであると理解する。ただ、今回の展覧会では、臨模本があまり出ていなかったのは、意図的に避けているのか、とも思ってしまった。おそらく多数の臨模本があると思うのであるが、どのようにして、和歌を残してきたのか、その実態を知る貴重な資料だと思う。

ともあれ、後半の展示も見にいかなければと思う。

當山日出夫(とうやまひでお)