DVD版全集を売るということ2010-07-05

2010-07-05 當山日出夫

話しを聞くところによると、DVD版の価格は、かなり低いと、書店などは感じているらしい。(ちなみに価格は、6万円である。)

そうであろう。まだ、第2刷の在庫がある。これは、10万円をはるかに超える(あまり古本市場にはまだ出ていない。)初刷の方は、おおむね、DVD版の価格。この意味では、まあまあ妥当なところかと思う。(買う側からしてみれば。)

しかし、とりあつかう書店にしてみれば、もうちょっと高くてもいいらしい。そうかもしれない。6万であっても、10万であっても、買うところはほとんど決まっているだろう。図書館や研究室が、6万だから買う、10万だから買わないということもないだろう。

とはいいながら、値段をつけて売るということは、非常にフェアな、社会への流通のさせ方であるとも思う。なにがしかのお金を出せば、それで、後は自由につかえるのであるから。しかも、それが、今回の場合、法外に高い値段というわけでない。

今後、いろんな展開が考えられる。検索機能までつけた現在のDVD版の他に、本文データ(PDF)だけを、なんらの形でより安価に提供ということも不可能ではないであろう。

内村鑑三の著作権はきれている。問題になるのは、岩波書店の「全集」を編集したときの権利であるが、これも、DVD版を出すときに、クリアしてある。(なにせ、会社の顧問弁護士がメンバーにいる会なのであるから。)

言語処理用のデータとしては、余計な検索機能などはいらない。プレーンなテキストデータがあればよい。(ただ、このプレーンなテキストデータを取り出すのがなかなか大変なのであるが。)今後の展開によっては、アカデミック版をつくるという方向もあるかもしれない。

とにかくより多くの人につかってもらいたい。これが、第一に目標とするところである。データがどのように共有されるか、社会に流通するか、というところまでふくめて、人文情報学は考えなければならないであろう。

當山日出夫(とうやまひでお)

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