漢情研の電子書籍シンポジウム、電子書籍と電子図書館2010-07-12

2010-07-12 當山日出夫

漢字文献情報処理研究会での、シンポジウム「電子出版の動向と諸問題」
2010年7月10日
慶應大阪リバーサイドキャンパス

代表挨拶
報告1 田代真人氏((株)メディア・ナレッジ代表、(株)アゴラブックス取締役)
報告2 守岡知彦氏(京都大学人文科学研究所助教)
報告3 石岡克俊氏(慶応義塾大学産業研究所准教授)
ディスカッション

http://togetter.com/li/34725

上記に、まとめられている。

ここにも書いてあるが、私が質問したこと……電子書籍のすぐ隣接する問題としては、電子図書館の問題があるのではないか。

この質問については、「とりあえず、そのことは考えていない」ということで、かわされてしまった。(田代真人さん)。

しかし、電子図書館の問題を無視して、いくら、電子書籍のビジネスモデルを考えたとしても、空論にしかならない危惧を感じる、と言えば言い過ぎであろうか。まあ、既存の紙の出版との比較で、電子書籍の出版ビジネスモデルを考えるのは理解できる。しかし、それが、電子図書館と並行した議論になるのは、時間の問題であろう。少なくとも、電子図書館のことを考えないでは、電子書籍の問題の総体は見えない。

ただ、それはあまりに議論が複雑になるので、電子図書館の問題は、とりあえず、おいておいて議論してみるけれど……という留保付きであるならば、なんとか理解できる。だが、無視したところで、議論をしても無意味かもしれないと思える。

やはりこここは、再度、考え直して、電子図書館まで議論のなかにひきこまえるような、枠組みでの電子書籍論、電子図書館論が、必要であるように思えてならないのである。

當山日出夫(とうやまひでお)