『夏目漱石の妻』第二回2016-10-03

2016-10-03 當山日出夫

土曜の晩に放送で、日曜に録画を見て書いているので、今日になった。

やまもも書斎記 2016年9月27日
『夏目漱石の妻』第一回
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2016/09/27/8203152

ネコが出てきたけど、名前はなかった。

ともかく感想としては、まだ「漱石」の名前は出てこないなあ、ということ。「金之助」でとおしている。『猫』を書いたときには、「漱石」の号を使っていたはずだから、最後のところで、「漱石」と出てくるかと思っていたが、そうはならなかった。

この回は、やはり、金之助の英国留学と「神経衰弱」だろう。それが、ある日ふとあらわれたネコのせいで、回復にむかうというあたりか。

どうでもいい感想を書いておけば、泥棒のシーン。『猫』に書いてあったように、ネコが目撃者として登場(?)すればいいのに、ということ。あとそれから、山の芋は出てこなかった。せっかくの泥棒なのである、山の芋も泥棒することにすればいいのにと思ってしまったのだが、これは、『猫』にたよりすぎか。

ところで、ロンドンにおける漱石の生活は相当にすさまじいものであったらしい。前回に書いた、

末延芳晴.『夏目金之助ロンドンに狂せり』.青土社.2016
http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=2930

とにかく読んでみた。この本の感想については、別に書きたいと思っているのだが、ドラマとして見たとき、漱石(金之助)のロンドン生活をまったく描かなかったのは、ただ、制作上の都合か、あるいは、あくまでも妻(鏡子)の目を通しての漱石、という視点にこだわったせいか。また、金之助でとおしているのも、妻の立場から見れば、漱石ではなく、金之助である、ということなのか。

次回は、『道草』あたりのことになるらしい。そして、第四回目で、修善寺の一件になるのかなと、予想している。