『夏目漱石の妻』最終回2016-10-17

2016-10-17 當山日出夫

やまもも書斎記
『夏目漱石の妻』第三回  2016年10月10日
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2016/10/10/8219701

『夏目漱石の妻』第二回 2016年10月3日
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2016/10/03/8208735

『夏目漱石の妻』第一回 2016年9月27日
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2016/09/27/8203152

土曜日・日曜と、留守にしていた。国立国語研究所に行ってきた。家に帰って、まず、録画予約してあったのを見た次第。

とうとう猫は、名前のないままで死んでしまった。

メインは、いわゆる修善寺の大患の一件。それから、「則天去私」がどのような形であっても、描くかなと思っていたが、これは出てこなかった。その代わりに描いていたと、私が見て感じたのは、『明暗』の心象風景。

もちろん、『明暗』は未完のままおわり、漱石の絶筆になるわけだが、そこで描かれているのは、なぜ自分はこの女を妻にしているのか、という自問。それを、実際の漱石の生活に投影した形で、脚本を書いたのかな、という気がしてならない。

ただ、よく分からないのは、なぜ、房子を語り手として、視点人物にもってきているのか、ここのところの意図が、いまひとつよく分からなかった。まあ、強いていえば、漱石(金之助)と、鏡子と、両方を客観的に見る、しかも、身近にいる人物ということで、設定されたのだろうか。また、強いて『坑夫』の件をもちだすこともないと感じるのだが、どうだろうか。

ところで、BGMにつかわれているピアノ曲がいい。番組HPを見ると、シューベルトのピアノソナタ21番(田部京子)ということらしい。うまくこの演奏をつかっているなあ、と思って見た。

どうでもいいことだが……もし、大塚楠緒子が登場するとすると、壇蜜あたりがいいかなと思っていたのだが、本当にそうだった……考えることは、同じということか。