『真田丸』あれこれ「引鉄」2016-12-06

2016-12-06 當山日出夫

『真田丸』2016年12月4日、第48回「引鉄」
http://www.nhk.or.jp/sanadamaru/story/story48.html#mainContents

なんだか、誰にも止めることのできない、歴史の流れというようなものを感じさせるようになってきた。誰かが意図して企んでそうなったというよりも、それぞれの歴史上の登場人物たちが、それぞれの思惑で行動した結果、その最後の結末をむかえる、そのように感じる。歴史の宿命とでもいったらいいだろうか。そのなかに信繁(幸村)が生きていたことになる。

ここで最後を前にして、信繁(幸村)が上田に帰りたい、という意味のことを言っていたのが印象的。最後……豊臣のために死ぬ気になって……故郷とでもいうべき上田の地に帰りたい、いわば、パトリオティズム(愛郷心)が現れてきている。

そして、この回で描かれていたのは、豊臣、あるいは、徳川への忠誠心と、真田のイエの一族であるということの、相克。信繁(幸村)のみならず、その子供(大助)、兄(信之)、それからその子供たち兄弟を巻き込んで、真田のイエ意識と、豊臣/徳川への忠誠心のはざまでの葛藤が描かれていた。

また、利休が残しておいた、鉄砲。たぶん、これが最後の場面にどうつかわれるかのか、そのあたりが楽しみな展開である。

最後に、主人公・信繁(幸村)が亡くなるまでをどう描くかということもあるが、その周りの人物、茶々、秀頼をはじめとして、このドラマの最初から登場してきている、きりや佐助がどのようになるか、そのあたりも気になるところである。

この意味では、本当の結末は最後まで見ないと分からない、ということなのであろう。