奈良国立博物館、園城寺、金光明文句2016-12-26

2016-12-26 當山日出夫

京都の文化博物館で表装の展覧会を見た後、地下鉄から近鉄にのりかえて、そのまま奈良まで行った。奈良国立博物館の展示を見るためである。目的は、

金光明文句(下巻)、園城寺蔵

である。唐の将来写本。9世紀。国宝の指定である。

珠玉の仏教美術 【書跡】 として、展示されている。
2016年12月10日~2017年1月9日。

この本については、この前の訓点語学会の時に発表した。中国(唐)で、円珍が写した本であり、その地における、校合の跡が、白点で残っている。

これは、通常の光線の状態では見えない。部屋のライトを消して暗くして、LEDライトを、角度や距離を調整しながら見て、ようやく確認がとれるというもの。今まで、この本については、将来写経としては知られていたが、白点があることは分かっていなかった。それを、学会発表したメンバーで、確認して、報告したことになる。

第115回訓点語学会研究発表会 2016年11月13日(東京大学山上会館)
園城寺蔵『金光明文句』下巻の白書について
當山日出夫・山本佐和子・中川仁喜・石井行雄
http://www.kuntengo.com/syuryo.html

私が見ておきたかったのは、やはり、通常の光源……それも、博物館の展示のようにフラットな光線があたっている状態では、とても視認できるものではない、ということを、再確認しておきたかったのである。

なお同時に展示されていた本で、これは見てよかったと思ったのは、日本書紀(巻十)残巻。国宝。現存する、最古の日本書紀の写本である。応神天皇の箇所が出ていた。

これは、奈良国立博物館の所蔵品であるので、収蔵品データベースとして公開されている。

http://www.narahaku.go.jp/collection/1190-0.html

それから、この時、ある部屋で、新たに修理が終わった文化財が、特別に展示されていた。見ると、掛軸のものが多い。説明を読むと、表装を解体して修理した、とある。ちょうど、京都文化博物館で表装の展覧会を見た後だっただけに、興味深く見ることができた。掛軸などは、バラバラに解体して、再度組み立てることができる。その時、裏打ちなどを新しくして、きれいにする。そのきれいになった直後の文化財を見ることができた。このようにして、絵画や書跡は受け継がれていくのである、と実感した次第である。