『おんな城主直虎』あれこれ「井伊谷の少女」2017-01-10

2017-01-10 當山日出夫

『おんな城主直虎』2017年1月8日、第1回「井伊谷の少女」
http://www.nhk.or.jp/naotora/story/story01/

今年も続けて、大河ドラマを見ることにした(とりあえずである。いつまで続くことになるかわからないが。)

第一回を見た限り、かなり面白そうである。気付いた点をいくつか。

第一に、脚本がわかりやすい。井伊家については、人物関係が、かなりややこしい。番組HPの系図を見てもすぐには分からない。それをとりあえず、世代の違い(子供たち三人とその親)、敵(今のところは今川になるか)と味方(井伊の家の方)、ということで、かなり整理して描いてある。単純にしすぎるのもどうかと思うが、わかりやすいことはいいことである。

わかりやすいといえば、第一回では、随所に回想シーンが挿入されていた。過去の場面をふりかえるところが、何カ所かにあって、そこで、その時のことを確認しながら、先に話しがすすむというふうになっていた。このちょっとした工夫で、随分とこの物語は、わかりやすいものになっていた。

第二に、これをもう第一回で描いてしまっては、と思ったところ。ヒロインが、水に飛び込む。それから、高いところにのぼる。洞窟を探検する。これら、ドラマにおいては、イニシエーションとして表象される要素を、ふんだんに盛り込んであった。

まあ、このドラマは、イニシエーションの連続ということになるらしい。一度出家して、それから、さらに還俗して、城主になる……という流れのようだから、その時々のイニシエーションを、どのように表象するかというのは、興味深いところではある。

以上の二点が、第一回を見ての主な感想である。

ただ、すこし付け加えるなら、今川の館での場面。謀反のうたがいということで、殺されたようだ(亀の父親)。見ていると、どうも屋敷の中で殺してしまったような描写であったが、どうなんだろう、その当時においても、「血のけがれ」という意識はあっただろうから、謀反人をその屋敷の中で処刑するようなことはなかったのではなかろうか。このあたりのことが、ちょっと気になった。

さらに書けば、第一回として、その終わり方、次回への続け方は、これはうまいと思った。亀が生きていることは、だいたい承知しているのだが、最後のシーンで、子供のときにうまく逃げおおせたかどうか、やはり気になる。ここを、うまくつかって次回につなげていた。

そして、さらにさらに蛇足を書けば、あの猫。次回も出てくるのだろうか。

ともかく、次週の第二回も見ることにしよう。