『ひよっこ』あれこれ「小さな星の、小さな光」2017-06-04

2017-06-04 當山日出夫(とうやまひでお)

ひよっこ
http://www.nhk.or.jp/hiyokko/index.html

第9週「小さな星の、小さな光」
http://www.nhk.or.jp/hiyokko/story/09/

この週は、群像劇という印象の回だった。物語の主人公(ヒロイン)は、みね子であるにはちがいないのだが、それよりも、周辺の登場人物が丁寧に描かれていたと見た。

特に、向島電機の乙女寮の仲間たち……幸子、裕子、澄子、豊子、時子、それから、舎監の愛子、これらの女性たちが、個性豊かに描かれていた。同じような環境にいる幾人かの人物の個性を描き分けていくところに、この脚本の良さがあるのだろうと思う。

岡田惠和の過去の作品であれば、「おひさま」の白紙同盟の仲間三人であったり、「ちゅらさん」の一風館の住人たちであったり、同じような環境にいる人間を、それぞれの個性を際立たせて描いていく。時として、その脇役の方がメインになるような回もある。

この週では、豊子が大きくあつかわれていた。優等生で、次の就職もきちんと決まっている。にもかかわらず、今の会社の工場が閉鎖になることに反抗する。ひとりで工場のなかに立てこもってしまう。

そんな豊子の姿に、同じ工場ではたらいてきた仲間たちの、職場への愛着、仲間意識のようなものを見て取ることもできるだろう。

この週でも、コーラスがあった。印象的なのは、「見上げてごらん夜の星を」である。乙女寮にいる仲間たちは、この歌の歌詞のように小さく名も無い星かもしれないが、それぞれに光っている。

次週の予告を見ると、舞台は、向島電機から、すずふり亭にうつるようだ。ここでも、これまでのような群像劇的な展開が見られるだろうか。

しかし、乙女寮がなくなってしまうと、もうコーラスのシーンは出てこないだろう。これは、残念な気がしている。