『おんな城主直虎』あれこれ「隠し港の龍雲丸」 ― 2017-08-29
2017-08-29 當山日出夫(とうやまひでお)
『おんな城主直虎』2017年8月27日、第34回「隠し港の龍雲丸」
http://www.nhk.or.jp/naotora/story/story34/
前回は、
やまもも書斎記 2017年8月22日
『おんな城主直虎』あれこれ「嫌われ政次の一生」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2017/08/22/8653195
最初から見ていて、OPのところで、医事指導とあったのが目についた。合戦の場面で、だれか怪我をして治療の場面が出てくるのか、とおもっていたのだが、そうではなかった。この医事指導は、精神医学についてのものだった。
今回の見どころは、次の二点であろうか。
第一は、政次を自らの手で殺してしまうことになった直虎のその後の精神状態の描写。極端に精神的にダメージをうけて、それを無かったことにしてしまおうとする、心の動き。今の精神医学でどのように診断をするのかは知らないが、極度の精神的打撃をうけた、直虎の心の様子……これが、興味深かった。
そして直虎を見守る和尚の姿が印象的であった。無理に現実に向き合わせることなく、自然と回復を待つ、その姿は、井伊のイエの一人であり、また、直虎の保護者的な立場からのものであろうが、慈愛に満ちたものであったと感じる。
第二は、気賀での戦闘。どうやら、今川と徳川との争いのなかで、井伊谷の土地だけではなく、気賀の街も、戦乱に巻き込まれることになった。そして、気賀の人びとは無残にもころされることになり、また、龍雲丸たちも危機におちいる。
ここで気になるのは、このような状態になることになって、それでも、井伊のイエは、徳川に忠誠心を持つことになるのだろうか、ということ。たぶん、直虎としては、井伊のイエの生き残りをかけて徳川の側につくということはあっても、徳川の一族として忠誠心を持つということは、あり得ないように思える。
まだ、再登場してはいないが、後の直政は徳川のもとで成長することになるはずである。たぶん、直政の代になって徳川の一族として忠誠心をしめす、このようなはこびになるのではないだろうかと、推測している。
ドラマは、ここにきて、井伊の故郷である井伊谷の土地に対するパトリオティズムは、描かなくなっている。どこの領地を得るにせよ、井伊というイエが生き残ること、それがこれからの問題になるのだろう。
以上の二点が、見ていて思ったことである。
今回も、ちょっとだけであるが、ネコが映っていた。籠のなかにはいっている様子が、画面の一部に見えた。ネコがおちついて暮らせるような状態には、まだ、井伊のイエはならないのかもしれない。
追記 2017-09-05
『おんな城主直虎』2017年8月27日、第34回「隠し港の龍雲丸」
http://www.nhk.or.jp/naotora/story/story34/
前回は、
やまもも書斎記 2017年8月22日
『おんな城主直虎』あれこれ「嫌われ政次の一生」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2017/08/22/8653195
最初から見ていて、OPのところで、医事指導とあったのが目についた。合戦の場面で、だれか怪我をして治療の場面が出てくるのか、とおもっていたのだが、そうではなかった。この医事指導は、精神医学についてのものだった。
今回の見どころは、次の二点であろうか。
第一は、政次を自らの手で殺してしまうことになった直虎のその後の精神状態の描写。極端に精神的にダメージをうけて、それを無かったことにしてしまおうとする、心の動き。今の精神医学でどのように診断をするのかは知らないが、極度の精神的打撃をうけた、直虎の心の様子……これが、興味深かった。
そして直虎を見守る和尚の姿が印象的であった。無理に現実に向き合わせることなく、自然と回復を待つ、その姿は、井伊のイエの一人であり、また、直虎の保護者的な立場からのものであろうが、慈愛に満ちたものであったと感じる。
第二は、気賀での戦闘。どうやら、今川と徳川との争いのなかで、井伊谷の土地だけではなく、気賀の街も、戦乱に巻き込まれることになった。そして、気賀の人びとは無残にもころされることになり、また、龍雲丸たちも危機におちいる。
ここで気になるのは、このような状態になることになって、それでも、井伊のイエは、徳川に忠誠心を持つことになるのだろうか、ということ。たぶん、直虎としては、井伊のイエの生き残りをかけて徳川の側につくということはあっても、徳川の一族として忠誠心を持つということは、あり得ないように思える。
まだ、再登場してはいないが、後の直政は徳川のもとで成長することになるはずである。たぶん、直政の代になって徳川の一族として忠誠心をしめす、このようなはこびになるのではないだろうかと、推測している。
ドラマは、ここにきて、井伊の故郷である井伊谷の土地に対するパトリオティズムは、描かなくなっている。どこの領地を得るにせよ、井伊というイエが生き残ること、それがこれからの問題になるのだろう。
以上の二点が、見ていて思ったことである。
今回も、ちょっとだけであるが、ネコが映っていた。籠のなかにはいっている様子が、画面の一部に見えた。ネコがおちついて暮らせるような状態には、まだ、井伊のイエはならないのかもしれない。
追記 2017-09-05
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