『おんな城主直虎』あれこれ「この玄関の片隅で」2017-10-17

2017-10-17 當山日出夫(とうやまひでお)

『おんな城主直虎』2017年10月15日、第41回「この玄関の片隅で」
http://www.nhk.or.jp/naotora/story/story41/

前回は、
やまもも書斎記 2017年10月10日
『おんな城主直虎』あれこれ「天正の草履番」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2017/10/10/8700059

この回は、前回に書いたこと……直虎と万千代のエトスの違いが、はっきりした回であった。

直虎(おとわ)の方は、井伊谷で農業に従事しながら、その一族の中心でありつづけている。その願うところ……エトス……は、井伊谷に暮らす人びとの安寧である。「井伊」というイエへのこだわりは、もはや無くなっている。

井伊谷は、ドラマの時点では、近藤の支配下にある。だが、その近藤の井伊谷の統治の一翼をになうものとして、直虎(おとわ)の存在があるようだ。

一方、万千代の方は、「井伊」のイエ、その家名の復興に懸命である。そして、それが、今、自分が仕えている主君、家康への忠誠心になって現れている。万千代にとって、家康に忠義をつくすことと、「井伊」のイエを再興することは、ストレートに自身のなかでむすびついている。たぶん、これが、将来、直政として、家康に仕えることにつながっていくことになるにちがいない。

ところで、やはり気になるのは、直虎の身分、というか、地位。井伊というイエの当主ではない。もはや「殿」ではない。といいながらも、実質的にその一族の中心である。そして、農業に従事しているとはいっても、その土地は、誰のものなのだろうか。年貢とかはどうなっているのか。ちょっと気になっている。

今回、方久も出てきていたが、この方久という人物がもっと活躍すると面白いとおもっている。武士でもない、農民でもない、強いて言えば商人ということになるのだろうか。このような非農業民が、中世、戦国の時代に担っていた役割は、決して小さくはなかったはずである。

次回は、長篠の戦いのようである。その合戦で用いられた木の柵の用材として、井伊の木材が用いられることになった、という展開は、これまでの話のはこびからして、非常に興味深い。これまで、井伊谷の木材をめぐっては、いろいろと事件があった。(本当のところは、どうであったかは知らないが。)

そして、登場していたネコは、二匹。祐椿尼のところにいた、白黒ネコ。それから、ネコ和尚が話をする背後にいた、茶色ネコ。次回も、これらのネコたちは登場するであろうか。
追記 2017-10-24

この続きは、
やまもも書斎記 2017年10月24日
『おんな城主直虎』あれこれ「長篠に立てる柵」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2017/10/24/8711592