これから読みたい本のことなど2018-01-01

2018-01-01 當山日出夫(とうやまひでお)

謹賀新年。

今年(2018)に読みたい本のことなど、いささか。

中公文庫で、『城下の人』シリーズの新装版がでている。これは、旧版で出版されているのは知っていたが、なんとなく読みそびれたままになっていた本。このシリーズを、きちんと読んでおきたい。

石光真清(著).石光真人(編).『城下の人』(中公文庫).2017
http://www.chuko.co.jp/bunko/2017/11/206481.html

それから、同じ中公文庫で、辻邦生の『背教者ユリアヌス』が刊行である。これは、最初、単行本が出たときに買って読んだ。たしか、高校生のころだったろうか。辻邦生をよく読んだ。去年は『西行花伝』を再読したりもした。この新版の『背教者ユリアヌス』は、読んでおきたい作品である。

辻邦生.『背教者ユリアヌス』(中公文庫).中央公論新社.2017
http://www.chuko.co.jp/bunko/2017/12/206498.html

一昨年から刊行の「定本漱石全集」(岩波書店)、これも順番に買っている。読むのは、多少前後することがあるのだが、とにかく、これまで刊行された主な小説類は読んだ。このシリーズも、今年もひきつづいて買って順次読んでいくことにしようとおもっている。

今年は、明治150年である。NHKの大河ドラマでは、西郷隆盛をやる。たぶん、西郷隆盛関係、さらには、幕末・明治維新関係の本がいろいろでるだろう。これも、気のついた本は読んでいくつもりである。自分が生きている時代……「近代」という時代……が、どのようなものであるのか、自分なりに考えてみたい。

去年の終わりごろから、詩の本など読むようになった。そのことについては、昨日書いた。

やまもも書斎記 2017年12月31日
今年読んだ本のことなど
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2017/12/31/8758573

広義の「文学」……小説などに限らず、歴史や、宗教、思想、哲学といった人文系の書物をこういっておくが……を、味わうとき、根底にあるのは、それをよむときに〈詩〉を感じるかどうかだと思うようになってきた。自分で、詩作とか、俳句、短歌などこころみようとはまったく思わないのだが、それでも、読んでそれに何かしら感じる心をもっておきたいと思う。

冬休みの自分の「宿題」にして読もうとおもっているのが、ドストエフスキー。還暦をすぎて二年たっている。もう若くはない。だが、若い時に読んだのとはまた違った印象で、ドストエフスキーの作品に接することはできる。世界文学の名作、特に近代小説の作品を、これからできるだけ読んでいこうと思う。

これからどれだけ読めるかわからないが、近代の小説……たとえば、去年読んだ作家では、ゾラ、モーパッサン、チェーホフなど、まさに「近代」を描いた作家たち……を読んでいると、まさに自分が「近代」という時代の中にいきてきたことを、つくづくと感じる。私が生きてきた時代、「近代」という時代について、考えていきたいと思う次第である。