『わろてんか』あれこれ「みんなの夢」2018-01-07

2018-01-07 當山日出夫(とうやまひでお)

『わろてんか』第14週「みんなの夢」
https://www.nhk.or.jp/warotenka/story/14.html

前回は、
やまもも書斎記 2017年12月29日
『わろてんか』あれこれ「エッサッサ乙女組」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2017/12/29/8757063

この週は、安来節の公演が成功するまでの話し。

見ていて思ったことなど、いささか。

第一に、安来節の踊りを踊るとき、踊り手の女性たちは、着物のすそをたくしあげて足を出しておどっていた。ナレーションの解説によると、これは、その当時としては、かなり破天荒で大胆な姿だったらしい。

それはいいとしても、このアイデアは、元々の安来節の踊りがそうであるから、ということになっていた。このあたりの舞台での演出は、てっきりリリコからのアドバイスによるものかなと予想していたのだが、そうではなかった。

ともあれ、安来節がその当時流行した背景というか、理由について、もうちょっと説明的な描写があってもよかったように思うが、どうだろうか。

第二に、演奏である。練習のときは、レコードをつかっていた。その当時(大正時代)だから、SPレコードになるのだろう。これは、今では、国立国会図書館のデジタル資料「歴音」(歴史的音源)で聞ける。

インターネット公開されているものとしても、安来節の音を聞くことができる。

http://rekion.dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1318215

これは、1929年(昭和4年)のものである。

この当時のレコードの、音質、音量、録音時間などを考えると、舞台での公演につかうのは、どうだろうかと思っていた。

それが、本番の公演の時になると、生演奏になっていた。これは、どうかなと思う。安来にまで行って、人を探してくるとするのならば、踊り手だけではなく、歌い手も探してくるのでなければならないだろう。歌い手は、大阪の人間で間に合うということではなかったろうと思う。ここは、安来節の公演にあたって、歌い手たちと踊り手たちとの人間関係模様などを取り込んだ脚本の期待されたところである。

以上の二点が、安来節の公演について、思ったことなどである。

そして、登場人物のそれぞれがこれから「夢」を語って終わっていた。新春の週にふさわしい内容だったと思う。

次週は、関東大震災などのことが出てくるようだ。寄席の経営者としてのてんの判断もとわれる場面も出てくるのかもしれない。期待して見ることにしよう。

追記 2018-01-14
この続きは、
やまもも書斎記 2018年1月14日
『わろてんか』あれこれ「泣いたらあかん」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/01/14/8769327