NHK『平成細雪』第二話2018-01-17

2018-01-17 當山日出夫(とうやまひでお)

今週も『平成細雪』があったので、水曜日はこちらの話しにする。花の写真は、明日。

前回は、
やまもも書斎記 2018年1月10日
NHK『平成細雪』第一話
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/01/10/8766638

平成細雪
http://www4.nhk.or.jp/P4696/

このドラマ、雪子の見合いの場面が、まるでコメディである。本人たちが大真面目であればあるほど、傍目には滑稽にみえる。そのようなシーンを、うまくこのドラマは描いていたと思う。

まあ、このドラマは4回あるようだから、毎回、見合いがあって、最後の相手とめでたくということになるのだろう。原作『細雪』(谷崎潤一郎)をなぞっているドラマとしては、そうなると思って見ている。

雪子の伊藤歩は、あいかわらずどこかとぼけた感じがあって、面白かった。

第二話で、光っていたのは中村ゆりである。テレビは字幕表示で見ているのだが(録画)、台詞の文字は三色しかない。だから、四女の妙子(中村ゆり)には色がついていない。これは、惜しい気がする。

洪水があって、それを助けに来てくれたことで、カメラマンの板倉と接近する。これは原作『細雪』によっている。が、このシーンが意外と早く設定してあった。これは、啓ぼんとの関係のもつれを、これから描くために、このところに脚本が設定したのだろう。

ところで、気になるのは、(前回も書いたが)花見のシーンは無いのだろうか。『細雪』といえば思い出すのが、京都での花見の場面。『平成細雪』ならではの、京都の花見のシーンが、是非とも欲しいと思っている。

また、ちょっと疑問なのは、やはりカメラのこと。板倉はライカをつかっていた。しかし、この当時のフイルムカメラで、室内でフラッシュ無しで撮影するのは無理である。

それから、台風の時に助けに行った後の台詞。「現像の途中だったので」という意味のことを言っていたが、これはどうだろうか。フィルムの現像を途中でやめてしまうと(そのまま放置すると)、そのフィルムを全部ダメにしてしまう。途中で止めることはできない。待っても数分のことである。フィルムの現像は、温度と時間を厳格に管理する必要がある。

板倉がほしがったカメラ(二眼レフ)、たぶんローライだと思うのだが、テレビの画面で名前の部分がかくしてあった。ライカはそのマークが見えていたのに、どうしてかなと思っていたのだが、最後の場面でなるほどと納得がいった。

写真を小道具につかった、妙子と板倉の恋のシーンはうまい。

次回の雪子の見合いの相手は、どんなふうに登場することになるのだろうか。次回も楽しみに見ることにしよう。

追記 2018-01-24
この続きは、
やまもも書斎記 2018年1月24日
NHK『平成細雪』第三話
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/01/24/8775555