『西郷どん』あれこれ「背中の母」2018-02-20

2018-02-20 當山日出夫(とうやまひでお)

『西郷どん』2018年2月18日、第7回「背中の母」
https://www.nhk.or.jp/segodon/story/07/

前回は、
やまもも書斎記 2018年2月13日
『西郷どん』あれこれ「謎の漂流者」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/02/13/8787097

このドラマ、一回ごとに一つの話題でいくようだ。前回は、ジョン・万次郎。その前は、相撲。そして、今回は、家族。

西郷は、たてつづけに家族を失う(祖父、父、母)。その一方で、結婚もする。まあ、この結婚は末永く続くということはなかったということになるのであろうが。ともかく、家族をめぐっての物語がこの週のメインであった。

この意味では、それまでに慎重に伏線をはりめぐらせておいて、巧みにそれを回収しながら続けていくというドラマとは、違っている。一話ごとに話しがきりかわる。これはこれで一つの作り方だと思ってみている。

そうはいっても、ここで家族をめぐる一連のできごとで、強く描かれていたのは、西郷の家族と故郷に対する思いである。

「敬天愛人」という。その西郷の基礎にあるのが、家族への思いであり、故郷(鹿児島)の桜島の風景なのであろう。パトリオティズム(愛郷心)と言ってもいいだろう。家族(母)のことを思って、斉彬に従って江戸に行くことも志願しなかったようだ。その西郷と母は、桜島を眺めることになる。

そして、次回は、いよいよ黒船の襲来のようだ。ここで、近代国家日本のナショナリズムということになる。(ただ、私は、ナショナリズムを悪いものと考えているのではない。これから、このドラマがナショナリズムをどう描いていくか、見ていきたいと思っている。)

パトリオティズムとナショナリズムを一つの人格の中に融合させた人物として西郷隆盛を描くとなると、黒船の前の週に、家族と故郷への思いを描いておいたのは、周到な脚本といえるのではないか。

今回も、黒船来航を予知していた斉彬の先見性が見られた。かっこよすぎる気がしないでもない。それから、於一。これからどんな篤姫の姿になっていくのであろうか。次回も楽しみに見ることにしよう。

追記 2018-02-27
この続きは、
やまもも書斎記 2018年2月27日
『西郷どん』あれこれ「不吉な嫁」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/02/27/8795151

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