『わろてんか』あれこれ「わろてんか隊がゆく」2018-03-11

2018-03-11 當山日出夫(とうやまひでお)

『わろてんか』第23週「わろてんか隊がゆく」
https://www.nhk.or.jp/warotenka/story/23.html

前回は、
やまもも書斎記 2018年3月4日
『わろてんか』あれこれ「夢を継ぐ者」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/03/04/8797434

ドラマは、いよいよ戦争の時代を描くことになる。これはこれで、歴史の流れなのであろうが、しかし、これまでこのドラマは、時代の世相をほとんど描かずにきている。大正デモクラシーも、昭和初期の不況も、まったくとりあげなかったといってよい。

それが、昭和になって、支那事変以降の日中戦争の時代になって、突然、戦争とのかかわりを取り上げるようになっている。何かしら、唐突な感じがしないでもない。これまで、その時代の世相とか時代的背景とかをはさみこんできていれば、その流れの必然として、時代の変化も理解できるのだが、いきなり戦争の時代になって、ちょっととまどう感じがある。

戦争の時代である。芸人たちのなかにも、また、北村笑店の社員の中にも、応召となるものが出てきてもいいのだが、そうはなっていない。北村笑店は、戦地(中国)へ、慰問団を送るという展開。そこで、上海に行っていて、リリコと四郎に、再開することになる。

戦争の時代の芸能がどんなものであったのか、いろいろな角度から見ることができるだろう。それを、このドラマでは、戦地に赴く兵士に笑いを提供するものという位置づけである。

しかし、もっといろんな側面があったろう。時代への風刺。また、昭和初期なら、エログロナンセンスの流れもあったろう。そのようなものを、このドラマは、あつかってこなかった。

そのせいだろう……ここにきて、戦地慰問団の派遣、そこでの軍とのやりとり、これが、どうもとってつけたような感じにしか見えない。

昭和の戦前は、まだ今の時代に生きる我々にとって、記憶の延長のうちにある時代である。その時代に生きた人びとをいかに生き生きと描くか、そこにドラマの見どころがあるのだろうと思っている。戦争の時代に生きてきた、芸人たちの生活の悲哀のようなものがにじみ出る、しかし、どことなく救われる感じもする、そのようなドラマを期待して見ている。

追記 2018-03-18
この続きは、
やまもも書斎記 2018年3月18日
『わろてんか』あれこれ「見果てぬ夢」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/03/18/8805806