山吹の花2018-04-18

2018-04-18 當山日出夫(とうやまひでお)

水曜日は花の写真の日。今日は、ヤマブキである。

前回は、
やまもも書斎記 2018年4月11日
散る桜
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/04/11/8823456

我が家に山吹の木がある。それが、ちょうど見頃を迎えている。八重咲きである。

日本国語大辞典(ジャパンナレッジ)をひくと、古くは万葉集から用例がある。その後、宇津保物語、後拾遺集などにあるので、奈良時代から平安時代にかけて、古代よりこの名前で呼ばれていたことがわかる。

「山吹」といえば、思い出すのが、太田道灌のエピソード。その歌「七重八重 花は咲けども 山吹の 実のひとつだに なきぞかなしき」。この歌、後拾遺和歌集の兼明親王の歌である。

「山吹」の花は五花弁とある。八重咲きはその変種である。だが、後拾遺集の例からすると、平安時代にすでに八重咲きの「山吹」が普通にあったようだ。また、種類によっては白い色のものもあるらしい。

それから興味深いのが、「山吹」でその植物・花以外のものを指す語としてもちいる用法のあること。たとえば、「山吹色」の意味でもちいる(源氏物語)。また、重ねの色目の名称でもある。

そのほか見ていくと、女房詞では、いろんなものを指す。日本国語大辞典では、「鮒」「白酒」「干大根と嫁菜を煮たもの」などのことも、「山吹」と言っている。

「山吹」といって連想するのが、テレビの時代劇などでつかわれる隠語としての役割。小判の意味で、悪徳商人がお代官様に話しをするときなどに使っている。それかどうかは別にして、「山吹」で小判の意味を表すのが、江戸時代の俳諧(犬子集、1633)から見られる。現代のテレビ時代劇などの用法は、江戸時代からの用法を受け継いでいることになるらしい。

掲載の写真は、先週のうちに撮影しておいたもの。天気予報で雨になるとのことだったので、雨にぬれる前の姿をと思って、写しておいた。

ヤマブキ

ヤマブキ

ヤマブキ

ヤマブキ

ヤマブキ

ヤマブキ

Nikon D7500
AF-S DX Micro NIKKOR 85mm f/3.5G ED VR

追記 2018-04-25
この続きは、
やまもも書斎記 2018年4月25日
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/04/25/8832794

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