『武器よさらば』ヘミングウェイ2018-06-04

2018-06-04 當山日出夫(とうやまひでお)

武器よさらば

ヘミングウェイ.高見浩(訳).『武器よさらば』(新潮文庫).新潮社.2006
http://www.shinchosha.co.jp/book/210014/

この本を読んだのは、去年のことになる。読み終わって、思ったことなど書こうと思いながら、書斎の本のなかに埋もれてしまっていた。取り出してきて、思い出したことなど、いささか。

はっきりいって、よくわからなかった。なぜ、この作品が名作とされているのだろうか。

第一次世界大戦のイタリア戦線が舞台である。が、その戦場の描写がいまひとつ納得できるものではなかった。これは、私の予備知識がなかったせいかもしれない。

だが、それよりも納得がいかなかったのは、逃避行とでもいうべき場面。第一次世界大戦の時、軍隊の規律とはどんなものだったのだろうか。本当に描かれているようなものだったとすると、かなり、緩やかなものであったのかもしれない。ここのところも、戦争といえば、第二次世界大戦、太平洋戦争のことを思ってしまう、私ぐらいの世代の人間としては、なにがしかの違和感を感じてしまう。

そして、スイスである。これも、そんなに簡単に入国して住まいすることができるものなのであろうか。

このようにいくつかの疑問を感じながらも、とにかく最後まで読み通したのだった。やはりここには、ストーリーテラーのうまさというものがあると感じる。戦争に翻弄された一組の男女の物語としては、これはこれでよくできている。戦争と人間の運命、このようなものを文学として描いた作品としては、やはり歴史に残る名作というべきであろう。

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