『半分、青い。』あれこれ「結婚したい!」2018-06-24

2018-06-24 當山日出夫(とうやまひでお)

『半分、青い。』第12週「結婚したい!」
https://www.nhk.or.jp/hanbunaoi/story/week_12.html

前回は、
やまもも書斎記
『半分、青い。』あれこれ「デビューしたい!」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/06/17/8895939

結婚したのは、裕子だった。

この週のみどころは、鈴愛よりも裕子の決断の方かもしれない。漫画家として行き詰まる。スランプである。さらに漫画家をつづけるよりも、結婚を選んだことになる。

このあたりの描写……漫画家は、ゼロから作品を作っていかなければならない、そのようなつらい仕事はもういやだ……裕子は、このような意味のことを言っていた。ここには、このドラマの作者・北川悦吏子の矜恃があっての台詞なのだろうと思って見ていた。

ドラマの脚本も、ゼロから作る。特に、今回の『半分、青い。』はオリジナル脚本である。前作、『わろてんか』のように歴史的なモデルが存在するというものではない。このドラマ『半分、青い。』は、自分がゼロから発想して作っている作品世界なのである、このようなメッセージが込められていたような気がしてならない。

脚本家にとって、ジャンルは違うとはいえ、漫画家という創造、創作にかかわる仕事を、どう描いてみせるかは、相当の覚悟があってのことだと思う。それは、今のところ、成功していると感じる。天才的漫画家としての秋風羽織、まだかけだしの鈴愛、そして、創作に行き詰まって漫画家をやめることにした裕子。それぞれの立場からの漫画創作への思いが伝わってくる週であった。

ただ、時代背景としてはバブル崩壊後のときである。この時代の若者の生き方をどう描くかというところも、興味を持って見ているのだが、今のところ、そう大きく時代背景が、鈴愛たちの生き方に影響しているということはなさそうである。それよりも、漫画というメディアと時代、という観点かもしれないと思っているが、どうだろうか。

そして、次週は、漫画家としての鈴愛にも試練の時がおとづれるようである。また、律との関係はどうなるのだろうか。

追記 2018-07-01
この続きは、
やまもも書斎記 2018年7月1日
『半分、青い。』あれこれ「仕事が欲しい!」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/07/01/8906998