『西郷どん』あれこれ「生かされた命」 ― 2018-07-03
2018-07-03 當山日出夫(とうやまひでお)
『西郷どん』2018年7月1日、第25回「生かされた命」
https://www.nhk.or.jp/segodon/story/25/
前回は、
やまもも書斎記 2018年6月26日
『西郷どん』あれこれ「地の果てにて」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/06/26/8903399
この週の見どころは、「敬天愛人」と「革命」だろうか。
第一に、敬天愛人。
沖永良部島で西郷は流人生活をおくる。そこで、島の人びとに接し、また、子どもたちの教育にもあたることになる。ここでの西郷の生き方は、「敬天愛人」と言うのがふさわしいかもしれない。ただ、ドラマのなかでは、このことばは使っていない。
島に流罪になって、過酷な生活の中で、それでも生きている。そこには、島の人びとの、西郷に寄せる敬意がある。西郷は、先生と慕われている。この島での流人生活を経て、西郷は、再びよみがえることになる。
このような西郷の生活の根底にある理念としては、「敬天愛人」の語がふさわしいように感じられた。これは、今後の幕末の動乱を生きることになる西郷の人格の根底にあるものとなるであろう。
第二に、革命。
島に流人として住んでいる男……川口雪篷……は、ナポレオンについて語り、「革命」に言及する。
このあたり、時代考証としてどうかな、という気がしないではない。幕末、フランスのナポレオンが英雄視されていたことはいいとしても、「革命」ということを、西郷はどう考えていたのだろうか。ただ、倒幕のことを意味しているのか。この当時の幕末の志士たちにとって、「革命」とはどういうことばであったのか、ここはいろいろ考えることができるだろう。無論、「易姓革命」のことまで視野に入れてのことではあるが。(明治維新を「革命」と考えるかどうか、このあたり歴史学の方でも議論になるところであると思っている。)
以上の二点、敬天愛人と革命が、この回でのポイントかなと思って見ていた。
ともあれ、「革命」のことばに見送られるようにして、西郷は、流罪の島から帰還することになる。これからは、いよいよ倒幕の志士としての活躍が待っているようである。そして、愛加那との再会。
そして、この週も、西郷が島流しになっている間に、生麦事件と薩英戦争が起こっていた。これらの歴史上の事件の描き方については、いろいろ意見のあるところだろうと思う。特に、薩英戦争の帰趨は、その後の薩摩藩の方針に大きく影響したはずである。
ところで、次回は、スペシャルのようだ。いったい何の意図があってNHKは、このような構成にしているのか、理解に苦しむところである。ドラマが始まって半年が過ぎ、これからいよいよ、倒幕から明治維新になる流れのなかで、今後を展望しておくということなのだろうか。
『西郷どん』2018年7月1日、第25回「生かされた命」
https://www.nhk.or.jp/segodon/story/25/
前回は、
やまもも書斎記 2018年6月26日
『西郷どん』あれこれ「地の果てにて」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/06/26/8903399
この週の見どころは、「敬天愛人」と「革命」だろうか。
第一に、敬天愛人。
沖永良部島で西郷は流人生活をおくる。そこで、島の人びとに接し、また、子どもたちの教育にもあたることになる。ここでの西郷の生き方は、「敬天愛人」と言うのがふさわしいかもしれない。ただ、ドラマのなかでは、このことばは使っていない。
島に流罪になって、過酷な生活の中で、それでも生きている。そこには、島の人びとの、西郷に寄せる敬意がある。西郷は、先生と慕われている。この島での流人生活を経て、西郷は、再びよみがえることになる。
このような西郷の生活の根底にある理念としては、「敬天愛人」の語がふさわしいように感じられた。これは、今後の幕末の動乱を生きることになる西郷の人格の根底にあるものとなるであろう。
第二に、革命。
島に流人として住んでいる男……川口雪篷……は、ナポレオンについて語り、「革命」に言及する。
このあたり、時代考証としてどうかな、という気がしないではない。幕末、フランスのナポレオンが英雄視されていたことはいいとしても、「革命」ということを、西郷はどう考えていたのだろうか。ただ、倒幕のことを意味しているのか。この当時の幕末の志士たちにとって、「革命」とはどういうことばであったのか、ここはいろいろ考えることができるだろう。無論、「易姓革命」のことまで視野に入れてのことではあるが。(明治維新を「革命」と考えるかどうか、このあたり歴史学の方でも議論になるところであると思っている。)
以上の二点、敬天愛人と革命が、この回でのポイントかなと思って見ていた。
ともあれ、「革命」のことばに見送られるようにして、西郷は、流罪の島から帰還することになる。これからは、いよいよ倒幕の志士としての活躍が待っているようである。そして、愛加那との再会。
そして、この週も、西郷が島流しになっている間に、生麦事件と薩英戦争が起こっていた。これらの歴史上の事件の描き方については、いろいろ意見のあるところだろうと思う。特に、薩英戦争の帰趨は、その後の薩摩藩の方針に大きく影響したはずである。
ところで、次回は、スペシャルのようだ。いったい何の意図があってNHKは、このような構成にしているのか、理解に苦しむところである。ドラマが始まって半年が過ぎ、これからいよいよ、倒幕から明治維新になる流れのなかで、今後を展望しておくということなのだろうか。
追記 2018-07-17
この続きは、
やまもも書斎記 2018年7月17日
『西郷どん』あれこれ「西郷、京へ」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/07/17/8919788
この続きは、
やまもも書斎記 2018年7月17日
『西郷どん』あれこれ「西郷、京へ」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/07/17/8919788
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