『平家物語』(四)岩波文庫2019-03-09

2019-03-09 當山日出夫(とうやまひでお)

平家物語(四)

梶原正昭・山下宏明(校注).『平家物語』(四)(岩波文庫).岩波書店.1999
https://www.iwanami.co.jp/book/b245706.html

続きである。
やまもも書斎記 2019年3月8日
『平家物語』(三)岩波文庫
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/03/08/9044547

第四巻まで読んで、私の読後感としては、『平家物語』というのは、「運命」の物語である、と強く感じる。強いて対照的に見るならば、『源氏物語』は「宿世」(すくせ)の物語であるのかもしれない。

例えば、次のような箇所。

「天竺・震旦にも、日本我朝にもならびなき名将、勇士といへども、運命尽きぬれば力及ばず。」(p.188)

これは、平知盛の言ったことばである。その知盛は、その最期のシーンで、かの有名なことばを語ることになる。

「見るべき程の事は見つ。今は自害せん。」(p.212)

まさにこの知盛のことばのなかに『平家物語』が凝縮されていると感じて読むのは、やや古風にすぎるだろうか。

現代の『平家物語』の理解としては、源氏と平家と様々な人びとが織りなす群像劇のように、そして、その人びとがどうしようもなく動かされてしまうことになる「歴史」というもの、このように理解するのが、一般的であるのかもしれない。

ともあれ、「見るべき程の事は見つ」というならば、『平家物語』の「作者」としては、「語るべき程の事は語りつ」とでも言いたいのではないだろうか。源平の争乱の中にあって、この世の中でおこるべきことのすべてを見つくして、それを語りつくしたものとして『平家物語』があることになる。

今回、岩波文庫版(四巻)で読んでみたのだが、この作品は、新日本古典文学大系版でも読んでおきたいと思う。また、説話、歴史といったジャンルの古典作品を読んでみたい。

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