日本近代語研究会(2019春、関西大学)に行ってきた2019-05-20

2019-05-20 當山日出夫(とうやまひでお)

2019年5月17日(金)に、日本近代語研究会が関西大学であったので行ってきた。この研究会は、近年では、日本語学会の開催にあわせて、前日の金曜日に開催ということになっている。

朝の10時ごろに家をでて、近鉄から地下鉄にのりかえて行く。駅でおりて、簡単に昼食。会場は、この前の国語語彙史研究会の時と同じところ。まようことなく行くことができた。

発表はいろいろと面白かった。

質疑のときに、いくつか発言してみた。

一つには、もう「今昔文字鏡」はつかわない方がいいということ。JIS規格を越える漢字については、Unicodeで対応する方がいい。その時、実装されているフォントのバージョンと、どの範囲のUnicodeの漢字を収録しているのか、確認しておく必要がある。

第二には、HNGを見ていなかったということについて。漢字の規範の歴史を考えるとき、HNGは必須といっていいだろう。これが、しばらく止まっていたが、つい最近になって復活している。このことについて、指摘しておいた。

漢字字体規範史データセット
http://www.hng-data.org/

第三に、今の日本語では、PCの観点から、「マン」を避ける傾向がある。例えば、「ビジネスマン」とは言わずに「ビジネスパーソン」と言う、などである。このような、今の日本語に起こっている現象を、BCCWJでは捉えることができない。BCCWJのデータは、ある意味では、もう過去の日本語のものになっている。今まさに日本語において起こっている現象を観察して捉える視点が重要である。

最後の講演、「日本語の呼称の歴史」。日本語のことを研究していながら、日本語のことを「日本語」というようになった歴史ということについては、これまであまり考えられてきていないという話し。これは、多く教えられるところがあった。

終わって、懇親会。

どういうわけだか、懇親会の乾杯の挨拶をたのまれてしまった。(ちょっと前にも、国語語彙史研究会で同じようなことがあった。)特に話すこともないのであるが……Unicode変体仮名がコンピュータに実装されて使用できるようになっていること、それから、今度の7月26日に、国語研で、「東洋学へのコンピュータ利用」が開催になること、など話しておいた。

懇親会が終わったら、二次会には行かずに帰った。それでも、家に帰ったら、10時ごろになってしまっていただろうか。翌日は日本語学会が甲南大学で開催である。

追記 2019-05-23
この続きは、
やまもも書斎記 2019年5月23日
日本語学会(2019春、甲南大学)に行ってきた
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/05/23/9075887

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