『パン屋再襲撃』村上春樹2019-06-07

2019-06-07 當山日出夫(とうやまひでお)

パン屋再襲撃

村上春樹.『パン屋再襲撃』(文春文庫).文藝春秋(2011) (文藝春秋.1989)
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167502119

続きである。
やまもも書斎記 2019年6月6日
『回転木馬のデッド・ヒート』村上春樹
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/06/06/9081742

村上春樹の短編集を読んできて(おおむね刊行順に読んでいるつもりだが)、この作品集にいたって、大きく作品として飛躍していると感じる。村上春樹的な物語世界というものが、確実に構築されてきている。

印象的なのは、「象の消滅」。ただ、象がいなくなってしまった、消えてしまったというだけのストーリーなのだが、それによって、何かしら奇妙な物語世界となっている。

それから、「ねじまき鳥と火曜日の女たち」。読み始めて、これは、『ねじまき鳥クロニクル』のもとになった短篇だとわかる。この作品もまた、「僕」を主人公として、奇妙な村上春樹の物語世界が出現する。(ただ、裏の路地は出てくるが、井戸は出てこない。)

私の場合……村上春樹は、まず長編から読んでみて、次に短編集を読んでいる。これは、好みの分かれるところだろうと思うのだが、村上春樹の短篇は実にいい。何気ない日常生活のなかでおこる、ふとした奇妙な出来事。それが、独自の物語世界を作りあげている。

それが長編のような「異界」の物語にまで発展するということはないのだが、日常生活を、鏡に映してみるような……それも、どこか歪んでいるような、それでいて物事の本質にせまるような……感覚を感じる。

次は、『TVピープル』を読むことにする。

追記 2019-06-10
この続きは、
やまもも書斎記 2019年6月10日
『TVピープル』村上春樹
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/06/10/9083904

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