『約束された場所で』村上春樹2019-06-22

2019-06-22 當山日出夫(とうやまひでお)

約束された場所で

村上春樹.『約束された場所で-underground 2-』(文春文庫).文藝春秋.2001 (文藝春秋.1998)
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167502041

続きである。
やまもも書斎記
『アンダーグラウンド』村上春樹(その二) 2019年6月21日
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/06/21/9089927

本書の副題……「underground 2」……が示しているとおり、これは『アンダーグラウンド』の続編である。『アンダーグラウンド』が、地下鉄サリン事件の被害者の視点にたって、その事件の様相を描き出そうとしたのに対して、この本は、オウム真理教の信者・元信者へのインタビューである。

この本を読んで感じるのは、著者のフェアな感覚、とでもいうべきものである。地下鉄サリン事件のことを描いた本は多々ある。そのなかにあって、ひたすら被害者の視点にたって、あの事件のときに何がおこったのかを描いたのが『アンダーグラウンド』であるとして、それだけでは、あの事件にせまることができない、加害者とされるオウム真理教にいた人びと、その考えるところも知っておきたい、明らかにしてみたい、これはきわめてまっとうな、フェアな感性であると感じる。

たぶん、このバランス感覚の良さが、村上春樹の文学の根底を支えているものにつながっていくのだろうと思う。このバランス感覚を理解するために、村上春樹を理解するには必読の一冊であると思う。

追記 2019-06-27
この続きは、
やまもも書斎記 2019年6月27日
『約束された場所で』村上春樹(その二)
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/06/27/9092251

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