『おしん』あれこれ(その八)2019-10-21

2019-10-21 當山日出夫(とうやまひでお)

続きである。
やまもも書斎記 2019年9月23日
『おしん』あれこれ(その七)
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/09/23/9156683

結局、おしんは伊勢におちつくことになる。が、そこにいたるまでにいろいろあった。

東京で露天商をはじめてどうにかなるかと思われたが、しかし、その商売をすることで健に迷惑をかけていることを知って、身をひくことになる。

次におしんが向かったのは故郷の山形である。そこで、加賀屋の世話になって、めし屋をはじめる。はじめは、純然たるめし屋として始めるのだが、そのうち客の要望にこたえる形で、酒も出すようになる。これは、これでなんとかうまくいくかのように思えたのだが、これもおしんは途中でやめてしまう。

加賀屋の加代が店を手伝ってくれるのはありがたい。しかし、それでは、加代の加賀屋の若奥様としての立場が、意味のないものになってしまう。加代を加賀屋にもどすために、めし屋も商売をたたむことになる。

最終的には、浩太の世話で、伊勢に行くことになる。ここで、魚の行商をはじめる。これが、後のおしんのビジネスにつながっていくことになる。

ここまで見て思うことは次の二点だろうか。

第一には、おしんは、自立して生きていこうとしている。東京で健の世話になることをいさぎよしとしない。また、酒田でも、加代の手を借りることを避けることになる。ここには、あくまでも、自分自身だけのちからで生きていこうとしている、自立した生き方というものがある。

第二には、自由競争である。伊勢で魚の行商をはじめたおしんは、誰よりも安く売ることになる。また、商売のかたわらで、畑仕事など手伝ったりして、お客さんを増やしていく。ここには、自由競争のなかで、たくましく生きていくビジネスの才覚と覚悟がある。

この自由競争ということが、これからのこのドラマにおいて、おしんの経営するスーパーのビジネスに影響をあたえることになるはずである。

以上の二点が、ここまで見て思うことであろうか。

ところで、酒田でめし屋をはじめたとき、おしんが仁義を切るシーンがあった。人間、習っておいて損になるものはない……奈良岡朋子のナレーションと一緒に、ここのところは、『おしん』のなかでも、特に印象深く憶えているところである。

さて、夫の竜三は、干拓に絶望して満州にわたるという。その前に、一目おしんと子どもの顔見たささに、伊勢にやってくる。これからどうなるのだろうか。以前の再放送の時に見てはいるのだが、舞台を伊勢に移して、いよいよこのドラマも佳境にはいってくるという感じである。

追記 2019-11-18
この続きは、
やまもも書斎記 2019年11月18日
『おしん』あれこれ(その九)
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/11/18/9178325

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