『ふわふわ』村上春樹・安西水丸2019-11-08

2019-11-08 當山日出夫(とうやまひでお)

ふわふわ

村上春樹(文).安西水丸(絵).『ふわふわ』(講談社文庫).講談社.2001 (講談社.1998)
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000202395

続きである。
やまもも書斎記 2019年11月2日
『象』レイモンド・カーヴァー/村上春樹(訳)
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/11/02/9171894

ひょっとしたら……猫について書いた文学ということで、日本文学史に名が残る作品ではないだろうか。

文章は村上春樹で、それに安西水丸の絵がついている。出てくるのは、猫……村上春樹が飼っていた、ある雌猫の話。全体で短い。しかも、文章のページと絵のページが交互に出てくる。三〇分もかからずに、読み終えてしまった。いや、もっと短かったかもしれない。

だが、この本を読んで、村上春樹という人は猫が本当に好きなんだなあと思う。そういえば、『村上朝日堂』だったか、猫のことについて書いた文章があったのを思い出す。

ところで、我が家にも猫……黒猫が二匹に、薄い色合いの茶トラ猫が一匹……がいる。猫を見ていると、いろんなことを思う。猫は、哲学的である。人生を教えてくれる、そう言っても過言ではないと思う。

重厚な長編、抒情あふれる短篇、軽妙なエッセイ、それに翻訳……村上春樹の仕事は多彩である。今は、エッセイと翻訳小説を読んでいる。その合間に手にした、軽い感じの本である。村上春樹という人間の一端を感じさせてくれる作品であると思う。無論、この本は、安西水丸の絵と一緒に読まなければ意味がない。

次の村上春樹は、『大聖堂』である。