『運命のコイン』(上)ジェフリー・アーチャー2020-02-28

2020-02-28 當山日出夫(とうやまひでお)

運命のコイン(上)

ジェフリー・アーチャー.戸田裕之(訳).『運命のコイン』(上)(新潮文庫).新潮社.2019
https://www.shinchosha.co.jp/book/216148/

私が、ジェフリー・アーチャーの作品を読んだのは、『百万ドルをとり返せ!』(新潮文庫)からだったかと記憶する。たしか、学生のころだったか。それから、『ケインとアベル』など読んだものである。それを思うと、古くから活躍している作家、それもベストセラー作家である。

この小説は、一九六八年の旧ソ連のレニングラードからはじまる。そこで起こる事件、国外に亡命を決意するロシア人の母と息子。箱の中にかくれて、密航をくわだてる。その行き先は、イギリスか、それとも、アメリカか……と、ここまでは、普通の小説の展開なのであるが、それから、大きく物語は転変する。

なるほど、このような小説の作りであったのか。さて、この大がかりな仕掛けのある小説は、どこに着地点を求めることになるのだろうか、と思って読むことになる。

だまされることを楽しむ、このような気構えで読む必要がある。この意味では、初めてこの著者の作品を手にするという読者には、あまりお勧めではないかもしれない。

下巻まで読んで思うことなどについては、続けて書くことにしたい。

2020年2月23日記

追記 2020-02-29
この続きは、
やまもも書斎記 2020年2月29日
『運命のコイン』(上)ジェフリー・アーチャー
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/02/29/9218963