『麒麟がくる』あれこれ「決戦!桶狭間」2020-06-09

2020-06-09 當山日出夫(とうやまひでお)

『麒麟がくる』第二十一回「決戦!桶狭間」
https://www.nhk.or.jp/kirin/story/21.html

前回は、
やまもも書斎記 2020年6月2日
『麒麟がくる』あれこれ「家康への文」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/06/02/9253305

この二十一回で、このドラマもいったん休止ということになっている。しかし、これはこれで、きりのいいところでの休止でったかもしれないと思う。この回で描いていたのは、桶狭間の合戦。織田信長が、今川義元を討ち取った、戦国時代の名だたる合戦である。

見ていた思ったことなど書けば、次の二点ぐらいだろうか。

第一には、桶狭間の合戦の描き方。

これまでの通説というか、一般的なイメージとしては、織田信長がわずかな軍勢で、雨のなか今川義元に奇襲攻撃をかけ、見事に討ち取ったということかと思う。

だが、このドラマの桶狭間の合戦は、新しい解釈で見せていた。

まず、少数による大軍勢を相手の奇襲攻撃ではなかった、ということがある。今川の兵は、かなり少なかった。そこのところを読み切ったうえで、信長は自分の兵で互角に戦えると判断した上での、合戦ということであった。

また、奇襲攻撃でもなかった。今川の方では、信長の動きを確実にとらえていた。

ただ、合戦の結果としては、今川義元を討ち取ることだけに集中した織田信長の勝利ということになった。

第二には、徳川家康の存在。

今川としては、信長が出てくれば、その背後をつくように家康に要求した。しかし、家康はこれをこばんだ。それが、結果として、信長に加勢することになっていた。

この家康の判断のもとにあったのは、三河の国を自分のもとにとりもどしたいとの一念であった。そして、その判断のもとになったのは、前回描かれていた、帰蝶の動き、さらにその背景としては、光秀の帰蝶へのはたらきかけがあったことになる。

このあたりは、明智光秀を主人公としたこのドラマにおいて、戦国の時代の動乱の要所に位置するものとしての光秀の存在、判断力を描いてみせたことになる。

以上の二点が、この回の桶狭間の合戦を見て思ったことなどである。

さらに書いてみるならば、「人間五十年…………」の幸若舞を歌ったのは、帰蝶の前においてであった。このあたりも、斬新な解釈、演出であったと見るべきであろう。

さて、桶狭間の合戦が終わった後、信長はどうするのか。「天下」ということばこそつかってはいなかったものの、これからの信長は「天下」を目指して行動することになるのだろう。そして、それに、明智光秀も関係することになる。

『麒麟がくる』の再開を楽しみにして、待つことにしよう。

2020年6月8日記